黒人少年射殺の追悼デモで銃撃、1人重体 非常事態宣言も 米

銃撃を受けた車=セントルイス郡警察

2015.08.11 Tue posted at 13:26 JST

米ミズーリ州ファーガソン(CNN) 米ミズーリ州セントルイス郡のファーガソンで黒人の少年、マイケル・ブラウンさんが白人警官に射殺された事件から1年を迎えた9日、追悼デモで警官に発砲したとされる18歳の少年が警官の反撃で重体となった。10日にはセントルイス中心部のデモで数十人が逮捕され、郡当局は非常事態宣言を出した。

ファーガソンでは9日の日中、平和的な行進が行われたが、夜になって銃撃戦が発生。警察の話によると、少年は発砲後に現場から逃走し、追いかけた警察車両を銃撃した。車から降りた警官らに向けてさらに発砲したため、警官側が何度か撃ち返した。少年は警察に対する暴行などの疑いがかけられ、重体で入院中。発砲したのは盗んだ拳銃だったとの情報もある。

一方、少年の家族は本人が銃を持っていたことを否定し、「危険を感じて逃げようとしただけ。警官に発砲した事実はない」と主張している。家族によれば、少年は昨年射殺されたブラウンさんの友人だったという。

ファーガソンでの暴動は10日にかけて続き、警官らが物を投げ付けられるなどして負傷した。セントルイス郡長官は「このような暴力は容認できない」との声明を出し、非常事態を宣言した。

セントルイス市内では10日、約200人が人種差別に抗議し、連邦裁判所へ向かってデモ行進した。警察の報道官がCNNに語ったところによると、デモの参加者56人が逮捕された。

逮捕者の中には活動家として知られる学者、コーネル・ウェスト氏も=KTVI

逮捕者の中には活動家として知られる学者、コーネル・ウェスト氏らも含まれている。同氏は昨年10月に行われたファーガソンのデモでも逮捕されていた。

同州アースシティでは同日、別のデモ隊が主要道路を占拠した。地元テレビ局の映像は、デモ隊が路肩へ誘導され、一部の参加者が逮捕される模様を伝えた。

ブラウンさんが射殺された現場付近では10日未明、歩道を歩いていた17歳と19歳の若者が男に胸を撃たれて負傷した。2人とも入院中だが、命に別条はないという。

黒人少年の追悼デモで1人重体

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