(CNN) 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士の10日の食事に、宇宙で栽培されたレタスが初めて登場した。
NASAの発表によると、収穫されたのは赤いロメインレタスで、ISSの野菜栽培システムを使って、土ではなく空気や霧を使う水気耕栽培で育てた。この栽培方法では水や肥料の量も少なくて済み、殺虫剤も不要で、病気にもかかりにくい。成長速度は土で育てた場合の3倍になるという。
同システムはフロリダ州のケネディ宇宙センターで実験して安全性を検証。安全を期すため食べる前に消毒を済ませ、収穫量の半分は検査のために地球に送られる。
NASA宇宙飛行士のスコット・ケリーさん、チェル・リングリンさんは、収穫したレタスの写真をツイッターに掲載した。
ISSには油井亀美也さんやロシアの宇宙飛行士3人も滞在中。レタスを試食できたかどうかNASAは発表していないものの、ケリーさんらは残る4人の分も取っておいた様子だ。
宇宙で育った新鮮な食品が宇宙飛行士の食事に登場したのは今回が初めてだが、植物の栽培実験は何十年も前から行われてきた。ただ、これまでの収穫はすべて地球に送られ、食用にはならなかったという。宇宙飛行士が「非公式に」試食したことがあるかどうかは不明。
NASAは2025年までに小惑星へ、2030年代には火星へ人類を送り込む計画で、宇宙での食糧生産態勢の確立を目指している。