サウジが財政悪化に直面 国債発行で穴埋め

2015.08.07 Fri posted at 17:46 JST

ロンドン(CNNMoney) サウジアラビアが原油価格の低迷と軍事費の急増により財政赤字に陥っている。アナリストによれば、国債発行という形で外国の投資家から資金調達を行う可能性もあるという。

今年に入り、サウジ政府はすでに620億ドル(約7兆7000億円)近い外貨準備を取り崩しているほか、7月には40億ドル(約5000億円)の国債を発行した。サウジの国債発行は2007年以来だ。

今年の財政赤字は国内総生産(GDP)の20%相当額に達するとみられる。キャピタル・エコノミクスの推計では、今年の歳入は前年比で820億ドル(約10兆円、GDPの8%に相当)減少する見込みだ。国際通貨基金(IMF)は、サウジの財政赤字は2020年まで続くと予測している。

昨年6月には1バレル=107ドル(現在のレートで約1万3000円)だった原油価格は現在、44ドル(約5500円)ほどで推移。この急落が財政悪化の主な原因だ。サウジのGDPの半分、そして歳入の80%は石油産業が生み出している。

一方で歳出も増えている。サウジは隣国イエメンに軍事介入を行っているほか、シリアにおける過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」への空爆に参加。昨年、サウジの軍事予算は17%増加し、GDPのほぼ10%に達した。

1月に即位したサルマン国王が公務員に多額のボーナスを支給したことも財政を圧迫している。

「今後数カ月、借入(国債発行)は増加するだろう」とサウジ通貨庁のファハド・ムバラク長官は先月、地元メディアに語っている。

サウジ中銀は具体的な数字についてコメントしていないが、年内は月50億ドル(約6200億円)相当の国債発行が可能だとアナリストはみている。

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