オバマ大統領、CO2の大幅削減計画を発表

オバマ大統領がCO2排出削減計画を発表

2015.08.04 Tue posted at 10:18 JST

ワシントン(CNN) オバマ米政権は2日、地球温暖化対策として米国内の石炭火力発電所からの二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減する計画を明らかにした。

オバマ大統領は3日、ホワイトハウスで環境保護局(EPA)による排出規制計画を正式に発表。「我々は気候変動の影響を受ける最初の世代であり、対策を講じることができる最後の世代でもある」と訴えた。

大統領はホワイトハウスが2日、ソーシャルメディア上で公開したビデオでも、この規制を「気候変動問題に対するこれまでの取り組みの中で最も大きく重要な一歩」と位置付けた。

計画では各州に対し、エネルギー消費量に応じたCO2削減目標が定められる。再生可能エネルギーの導入など、削減を早める州の事業にはインセンティブも設けられた。

オバマ大統領はビデオで「発電所はCO2の最大の排出源だ」と述べ、連邦政府による初の排出制限となることを強調した。

米エネルギー情報局(EIA)の統計によると、米国内の電力供給源は2012年の時点で石炭が37%とトップ。天然ガスが30%、原子力19%、水力7%、風力や太陽光などの再生可能エネルギーは5%となっている。

共和党のマコネル上院院内総務は全50州の知事に規制に従わないよう求める書簡を出した

発表に先立ち、多くの州が規制に反対する方針を表明していた。一部の州は訴訟も辞さない構えを示す。野党・共和党のマコネル上院院内総務は全50州の知事に、規制に従わないよう求める書簡を出した。

計画が実施されれば電気料金が値上がりするとの懸念が指摘され、石炭業界も強い反発を示している。16年大統領選の共和党候補らも一斉に計画を批判した。

EPAのマッカーシー長官は2日、規制導入のコスト計84億ドル(約1兆400億円)に対し、経済効果は計340億~540億ドルに上ると強調。「反対派はEPAの計画で街の明かりが消え、電気料金が高騰すると主張するが、それは間違いだ」と主張した。

残る任期が1年半を切ったオバマ大統領は、温暖化対策を後世に残すべき業績と位置付け、重点的に取り組んでいく構えだ。

オバマ大統領、CO2の大幅削減計画を発表

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