仕事辞めたい! それでも辞表の前に考えてみること

「辞めてやる!」。でも、その前に・・・=Megan Pendergrass/CNNMoney

2015.08.02 Sun posted at 18:00 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 意地の悪い上司、不満足な仕事、退屈な同僚。そして、いつの間にか手には辞表――。「ミレニアル世代」と呼ばれる、初めての定職に就いた20代にこうしたケースが増えているという。人事コンサルティングのリクルートファイの調査によれば、86%が、転職がよく見られないと分かっていても、仕事を辞めることはとめられないと考えているという。

新しい挑戦への準備ができており、別の仕事をぜひとも探したいと思っていても、性急な決断は避けたほうがいいかもしれない。職探しの専門家によれば、しっかりと考えた上での転職はキャリアアップにもつながる。辞表の前に、次のようなことに目を向けてはどうだろうか。

仕事の好きな部分に集中してみる

リー・マクマラン・エイブラムソンさんはアイビーリーグ(米東海岸の名門私立大)のロースクールを卒業し、法律事務所に就職した。しかし、その後、自分が本当に弁護士になりたいとは思っていなかったことに気がついた。

しかし、仕事の一部は楽しかった。書くことだ。そこで、仕事前の午前中や週末に時間を作り、執筆を始めた。約1年後、エイブラムソンさんの作品は米紙ニューヨーク・タイムズに載るまでになった。法律事務所での仕事は続けていた。

「はじめたとき、全くばかげた話だとは感じなかったし、できるかもしれないと考えていた」とエイブラムソンさん。その後、法律事務所は辞めた。

資金繰りも考えよう

エイブラムソンさんは法律的な知識と情熱を結合させた。今は、法律関連のウェブサイトのライターとして働く一方、法律事務所を舞台にした最初の小説の執筆に取りかかっている。

資金繰りは大丈夫?

ジョン・シッフさんは10年間さまざまなヘッジファンドで働いた後で、業界から足を洗いたいと考えるようになった。仕事には好きなところもあったが、デリバティブ(金融派生商品)の売買に情熱を感じなかった。それよりも、ジュースバーの店を持ちたいと考えた。

財政的に厳しいことは分かっていたので、仕事を辞める6カ月前から、ビジネスプランについて考えはじめ、貯金も始めた。小さなアパートに引っ越し、昼食は手弁当にして、旅行や友人との外出も控えた。

資金を蓄えるのに6カ月必要とみていたが、結局は1年かかった。しかし、今ではジュースバーは繁盛し、2件目をオープンする準備を進めている。

退路を断つなかれ

前の職場の同僚が将来の顧客となることもある。マリー・リー・ヘリングトンさんがそのことを理解するのに時間はかからなかった。

それ、本当にやりたい仕事?

ヘリングトンさんはウェディングプランナーの仕事を立ち上げるため法律事務所を辞めた。大きな進路変更だったが、大手の法律事務所では、もっと人々とかかわりたいという情熱を満足させることはできないと分かっていた。

ヘリングトンさんは家族や友人に自分のどこが長所なのか尋ねた。彼らは、ロースクール時代などのイベントやパーティーでの活躍を覚えていた。

法律事務所での勤務時間は長かったが、計画の準備が整うまで頑張った。ヘリングトンさんの最初の顧客の1人は元同僚だったという。

間違った理由で間違った職業に就いたことを認識する

弁護士向けの就活本の著者であるリズ・ブラウンさんは「給料は驚くほど高額だったが、私自身は悲惨な状況だった」と振り返る。

ブラウンさんは弁護士になることを選んだ。大金が稼げることを知っていたし、周囲の人から議論が上手だと言われていたからだ。技術はあったが、実際のところ、議論するのは嫌いだった。

仕事を辞めたとき、先の計画はなかったが、家族のサポートもあり転職した。エンジェル投資家のネットワークのマネジャーとなり、最終的には大学の教授となった。ブラウンさんは自分が何が得意で何を楽しんでいるのか見つけ出すことに集中した。それが、教えることだったという。

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