日経新聞、英FTを1600億円で買収

日経新聞社がFTグループを買収することで合意=Financial Times Flickr

2015.07.24 Fri posted at 11:12 JST

ロンドン(CNNMoney) 日本経済新聞社は、英経済紙「フィナンシャル・タイムズ(FT)」を発行するFTグループを、親会社である英メディア大手ピアソンから8億4400万ポンド(約1600億円)で買収することで合意した。

同グループはFTのほか、富裕層向けライフスタイル誌「ハウ・トゥ・スペンド・イット」や、「ザ・バンカー」といった専門誌を発行している。

ピアソンは売却の理由について、教育関連の事業や参考書の出版というコアビジネスに集中するためとしている。メディア産業はモバイルおよびソーシャルメディアの成長がもたらした「変曲点」に来ているというのが同社の見方だ。

ピアソンのジョン・ファロン最高経営責任者(CEO)は声明で「この新たな環境において、報道機関としての、また商業的なFTの成功を確たるものとする最も優れた方法は、FTを世界規模のデジタルニュース企業にすることだ」と述べた。

今回の買収対象に、ピアソンが株式の50%を保有する経済誌「エコノミスト」や、ロンドンの一等地にあるFT本社が入るビルは含まれない。

日経の喜多恒雄会長は「我々は報道の使命を共有しており、世界経済の発展に貢献していきたい」と述べた。

創刊した1888年当時のFT紙面= Financial Times Flickr

ピアソンによれば、FT(1888年創刊)の発行部数はこの5年間で30%伸びて73万7000部。うち70%がデジタル版だ。

2014年のFTグループの売上高は3億3400万ポンド(約642億円)で、営業利益は2400万ポンド(約46億円)だった。

売却には複数の規制当局からの承認が必要で、ピアソンによれば完了するのは今年の10〜12月期になる見込みだという。

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