人権派弁護士らを一斉に拘束 中国当局

中国全土で100人を超える人権派弁護士が当局に摘発されたことが分かった

2015.07.14 Tue posted at 14:31 JST

北京(CNN) 中国当局が全国で多数の人権派弁護士を拘束し、取り調べていることが、香港の支援団体の調べで分かった。米国政府や国際人権団体の批判を招く事態となっている。

香港の支援団体「中国人権弁護士関注組」の調べによれば、この数日で、少なくとも106人の弁護士や活動家らが警察による拘束や取り調べを受けている。拘束されていた活動家ら少なくとも82人が12日夜までに釈放されたが、少なくとも24人が依然として勾留されているという。

中国政府は大規模摘発について、国営メディアを通じ、金を払って不正に抗議運動を組織する「犯罪者集団」を標的にしたものだと伝えるなどして正当化している。

一時的に拘束され警察の取り調べを受けた上海の人権派弁護士、馮正虎氏はCNNの取材に応じ、「政府は我々の仕事に口を突っ込むなと要求してきたほか、拘束されている弁護士のことは気にしないようにと言われた」と述べた。この問題に関し、インターネット上への投稿も自粛するよう促されたという。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは声明で、「中国当局は人権派弁護士への攻撃をやめなければならない」と訴えた。

中国の習近平国家主席は政府への抗議行動に対して神経をとがらせているとみられる

大規模摘発で標的とされているのが「北京鋒鋭弁護士事務所」。有名な弁護士が幾人か在籍し、人権活動家の案件などを引き受けることで知られている。匿名を条件にCNNの取材に応じた職員によると、10日、多数の警察官が事務所を家宅捜索した。運営者の周世鋒氏を含む少なくとも10人の弁護士が勾留されているという。

中国公安部は同事務所の弁護士について、「金で雇った抗議者を使い社会抗争を引き起こそうとしているほか、大衆の感情をあおり、風説を流布しようとしている」などと糾弾。この3年にわたり、40件以上の抗議運動を組織して「社会秩序に深刻な混乱を与えた」としている。

公安部が同事務所と結びつけ問題視しているのが、5月2日に起こった警官発砲事件に対する抗議運動。中国北東部の駅で警官が丸腰の男性を撃って死亡させた。中国当局は警官の発砲について、正当防衛だったとしている。

北京の弁護士事務所が主な標的に

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