ワシントン(CNN) オバマ米大統領は13日、薬物犯罪で服役中の受刑者46人に対する減刑を発表した。
大統領はインターネット上で公開したビデオ演説の中で、減刑は司法制度改革へ向けた取り組みの一環だと説明。「米国はやり直しができる国だと信じている。彼らにはそのチャンスを得る資格がある」と語った。
減刑の対象となった男女46人のうち、13人は終身刑を言い渡されていた。大半の受刑者は更生施設などでの移行期間を経て、11月末には釈放される見通し。出所後も保護観察下に置かれ、一部には薬物検査などの条件が課される。
オバマ大統領が在任中に減刑した受刑者はこれで90人近く。歴代大統領の中で、ジョンソン大統領に次ぐ人数となる。多くは薬物関連の罪を問われ、1980年代の麻薬撲滅作戦で設定された指針に基づき長期の刑を言い渡されていた。現行の指針に当てはめれば、大半の受刑者はすでに刑期を満了していることになるという。
大統領は昨年末に8人、今年に入ってからもすでに22人の薬物犯に減刑を認めていた。
減刑措置は刑を消滅させる恩赦と違い、犯罪歴が消えるわけではない。オバマ大統領は就任してからこれまでに64人に恩赦を与えている。
ホワイトハウスは、オバマ大統領が今回の減刑対象者一人ひとりに書いた書簡の内容を公開した。大統領は「このチャンスを最大限に生かすかどうかはあなた次第です。あなたには良い道を選ぶ能力があることを覚えておいてほしい」と呼び掛けている。
大統領は16日にオクラホマ州で、大統領として初めて連邦刑務所を視察する予定。刑務所不足への対策や量刑基準の見直しを含む司法制度改革の必要性を改めて訴え、与野党双方から改革を求める声が高まっていることを強調する見通しだ。