ブッシュ前大統領に批判 退役軍人団体に10万ドルの講演料請求

ブッシュ前大統領

2015.07.10 Fri posted at 12:19 JST

ワシントン(CNN) ジョージ・W・ブッシュ前米大統領が、障害を負った退役軍人を支援する団体に対し10万ドルの講演料を請求したとして、同団体の一部メンバーから批判を受けている。

テキサス州に本拠を置く団体「ヘルピング・ア・ヒーロー」は、ブッシュ氏が大統領在任中に始めたイラクおよびアフガニスタンでの戦争で負傷した元兵士を支援する団体。関係者がABCニュースに語ったところでは、ブッシュ氏は2012年の寄付集めパーティーにおける講演料として、同団体に10万ドルを請求したという。

同団体は既に2万ドルを負担してブッシュ氏にプライベートジェット利用を提供。また、ローラ夫人にも昨年、講演料として5万ドルが支払われているという。

ヘルピング・ア・ヒーローの理事の1人であるエディー・ライト氏は8日、ブッシュ氏は金を受け取るべきではなかったとCNNに語った。

「指導者たる者、自らが戦地に送り込んだ兵士たちのための講演に金を取るべきではない」とライト氏は言う。ライト氏は2004年にイラクのファルージャでロケット弾の攻撃を受け、両手を失った。

エディー・ライト氏はブッシュ前大統領の講演料請求を批判

同団体は負傷した元軍人たちのために住宅建設を行っているが、内部でトラブルも起きている。横領などで幹部の一部が訴えられ、刑事訴追も含む訴訟合戦に発展。その後法廷外で和解が成立している。

会長を務めるチャック・ジェネス氏はブッシュ前大統領を「親しい友」と呼び、講演による集金効果は計320万ドルに及んだと語る。報道後、同団体はブッシュ氏を支持する声明を出した。

同団体の収支報告書によれば、ブッシュ前大統領が講演を行った年には245万ドル、その翌年には100万ドルの寄付が集まった。

ブッシュ氏は6月に行われた米商務省のイベントで「残る人生を元軍人たちの支援に捧げる決心をした」と語っていた。ブッシュ氏側は現時点でCNNのコメントの要請に応じていない。

ブッシュ前大統領に批判 退役軍人団体に10万ドルの講演料請求

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