ロンドン(CNNMoney) 深刻な財政危機にあるギリシャの不動産企業によると、ミコノス島など同国の島々にある別荘の価格が大幅に下落し、好機と見て取得を物色する外国人投資家らの動きが加速している。
この動きは経済危機がさらに悪化したと見られる過去数週間に拍車がかかり、買い手からの関心が一段と強まったという。
不動産企業「Algean Group」の幹部によると、島にある物件の価格は2011年以降、30%低下。ギリシャ本土の物件はさらに値下がりし、首都アテネでは08年以降、最大で半分の水準にまで落ち込んだ。
ギリシャは現在、欧州連合(EU)などからの金融支援を獲得出来るかどうかの瀬戸際にあるが、外国からの不動産物件への問い合わせは減るどころか増える傾向にある。ただ、これらの関心が売却成立に直ちにつながっているわけではないとも指摘した。
アテネにある国際的な不動産企業「サビルズ」の提携企業幹部によると、同国内の物件に対する引き合いは過去1週間に激増。欧州、中東やアジアからの投資家が目立つ。
特にミコノス島やサントリーニ島、ポルト・ヘリ島などの島々の物件に対する興味が強い。3寝室、プール付きや海に面した別荘の値段は少なくとも50万ユーロ(約6700万円)から100万ユーロまで。価格の下落は近年急激だという。
アパートの部屋も魅力的な賃貸料が見込め、有望としている。ただ、これらの島々は冬季に閉鎖されることへの注意が必要としている。
価格が安い物件を探すならより遠くにあり、住民数も少ない島々もある。パトモス島には多くのギリシャ人が不動産を持っており、経済悪化で売却が進む可能性もある。休日の喧噪(けんそう)や島々への時間がかかる移動を嫌うなら、価格が安くなっているギリシャ本土の物件を狙う選択肢もある。
しかし、現在のギリシャでの不動産購入にはリスクもつきまとう。同国が仮に欧州の単一通貨ユーロを放棄し、新たな独自通貨の導入を決めた場合、物件の価値は相当に減退する。政府が国家歳入の増加をにらんで不動産税を高くする可能性もある。経済や社会情勢が一層混乱した場合、外国人観光客は同国を避けるかもしれない。
結局、物件購入にはタイミングを見極めるのが必要な情勢にある。ユーロ圏脱退、新通貨導入となった場合、物件の価格はさらに安くなるからだ。