ギリシャ国民投票間近、賛否は伯仲 双方が大規模集会

金融支援の条件受け入れの是非を問う国民投票は5日に実施

2015.07.04 Sat posted at 12:10 JST

ロンドン(CNNMoney) 財政危機に揺れるギリシャで5日、欧州連合(EU)などが追加支援の条件として提示した緊縮財政策受け入れの是非を問う国民投票が行われる。世論調査の結果では賛成派と反対派が伯仲しており、3日夕方には、双方の支持者が首都アテネで大規模な抗議集会を開いた。

賛成派の抗議集会に参加したのは推定2万人。一方、近隣で行われた反対派の集会にもほぼ同数の人が集まった。

現地からの報道によると、反対派の集会の前には、デモ隊の若者と警官隊の間で小競り合いが発生。警官隊が催涙スプレーを使用して投石などを阻止する事態に発展した。

投票者に求められているのは、ギリシャ政府が拒否し、EU側も失効させた金融支援策についての賛否のみ。ただ、国民投票ではこれ以上のものが賭けられている。

ギリシャのチプラス首相は、債権団との交渉を有利にするため、国民に反対票を投じるよう呼びかけている。痛みが少ない条件での金融支援増額に加え、大幅な債務免除を引き出すのが狙いだ。

ギリシャは自国通貨「ドラクマ」に戻るのか

一方、賛成票が上回れば、支援交渉が再開するめどが立つ。ただ、EUと国際通貨基金(IMF)は追加支援と引き替えにより厳しい条件を要求する可能性がある。

難しい選択を前にギリシャ国民は二分されており、世論調査の結果も伯仲している。

長年にわたる賃金や年金の削減により、多くのギリシャ人は疲弊。ユーロ圏を離脱し、従来のドラクマに戻りたいとの考えを抱く人も多い。一方、大幅な通貨切り下げと困窮を懸念する声もある。こうした人々は、たとえより大きな犠牲を払うことになっても、ギリシャのEU残留を望んでいる。

いずれにしても早急な変化が必要なことは確実で、5日の投票が注目される。

ギリシャ国民投票迫る

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