人質事件の記憶も生々しく、イランの旧米大使館内部を取材

旧米大使館内をCNNが取材した

2015.07.02 Thu posted at 19:12 JST

テヘラン(CNN) イラン当局は2日までに、1979年のイスラム革命に伴い元最高指導者ホメイニ師の支持者がなだれ込んで占拠し、米外交官らを人質に取った事件が起きた首都テヘランの旧米国大使館内の取材や映像撮影をCNNに認めた。

「CIA区画」と呼ばれる一画に進むには、金庫室にあるような大きく分厚いドアにかけられているダイヤル錠の解錠が必要だった。この区画の一部は博物館に変わっていたが、他の区画は事件が起きた当時のままの状態となっている。

旧大使館の主要棟に行くの必要な階段沿いの壁面には反米の様々な絵などが描かれていた。テーマにはイラクのフセイン元大統領への支援、米国の人道犯罪や米軍戦闘艦船によるイラン航空機の撃墜などが含まれていた。

いずれも米国は根本的な邪悪の存在として糾弾されていた。

1979年当時の様子

書類などの裁断機も複数あり、監視や盗聴に使われたとするほこりまみれの旧式のコンピューターもあった。虚偽の旅券や身元証明書を作ったとされる「文書偽造室」にも案内された。

「CIA区画」の中で最も目を引いたのは、特殊ガラスなどで囲まれていたイラン側が主張する「盗聴防御室」だった。1970年代にあった盗聴防止の技術が使われたともされる。旧大使館のイラン人警備員は、米外交官らはこの部屋を秘密会合のために使ったと説明した。

旧大使館の敷地の大半は博物館として使われている。しかし、一部はイランの学生団体事務所となっていた。

米大使館人質事件をきっかけに両国は断交していた。この対立関係は現在まで修復されていない。

テヘランの旧米大使館、内部を取材

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