ギリシャ首相が辞任示唆、国民が緊縮策支持なら

ギリシャは自国通貨「ドラクマ」に戻るのか

2015.06.30 Tue posted at 12:05 JST

ロンドン(CNNMoney) ギリシャのチプラス首相は29日夜、公営テレビに出演し、自身が反対する財政緊縮策がもし7月5日の国民投票で支持された場合、辞任も辞さない構えを示した。

欧州首脳はまだギリシャを救済することはできるとの姿勢を鮮明にしているが、そのためにはギリシャ政治を根本から揺るがす必要がある。チプラス首相が辞任すればその可能性はある。

チプラス首相はインタビューの中で、「もし国民が緊縮策の断行を望むなら、若者が大量に海外に流出し、失業者が出て、再び新しい制度が導入され、新たな債務を抱えることになる。それが国民の選択ならば我々は尊重する。だが遂行はしない」と述べ、「どんな状況になっても私が首相でいるとは断言できない」と語った。

財政破綻(はたん)を防ぐためにギリシャの銀行は29日の営業を停止し、欧州首脳は少なくとも現時点では、ギリシャを突き放す姿勢を崩していない。

ギリシャ政府は26日、同国の救済について話し合う協議の場から交渉団を引き揚げ、チプラス首相はその数時間後、まだ協議が続いているさ中に、財政緊縮案の是非を問う国民投票を実施すると発表した。

1月の選挙で勝利したチプラス氏だが、緊縮策支持なら辞任も辞さない姿勢を見せた

ギリシャに対する救済策は、国民投票の5日前の今月30日で期限が切れる。

ドイツのメルケル首相ら欧州首脳は、国民投票では実質的に、ギリシャがユーロ圏にとどまるか自国通貨のドラクマに戻るかの選択を迫られると指摘した。

国民投票の結果がどうなるかは分からない。チプラス首相は高い支持率を維持している一方、各種世論調査ではユーロ圏にとどまることを望む意見が大半を占めている。

欧州委員会のユンケル委員長は国民投票について、「(提案が)否決されれば欧州を拒むことになる」と強調。しかし提案が支持された場合はチプラス首相の交渉姿勢を拒絶して直ちに新たな救済策についての協議に入ることができると指摘した。

メルケル首相は、欧州首脳による会合をギリシャの国民投票前に開く予定はないと説明。ただ、直後に予定している会合でギリシャ政府から要請があれば、新たな救済策について交渉に応じる用意があるとした。

ただし、欧州がギリシャを脅迫し恥をかかせようとしていると非難するチプラス首相の下で、こうした協議が実現する見通しは薄い。

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