(CNN) チュニジア北東部スースの海岸で観光客らが銃撃されたテロで、同国のガルサッリ内相は29日、事件に関与したとみられる集団を逮捕したと発表した。
事件は26日に発生し、欧州各地から訪れていた観光客ら少なくとも38人が死亡、39人が負傷した。死者のうち30人が英国人だった可能性があり、英国人が犠牲になったテロとしては、2005年にロンドンで起きた地下鉄爆破事件以来、最悪の規模。こうした状況を受けて、英国は大規模な対テロ演習を実施するという。
実行犯とされる学生、サイフディン・レズキ容疑者(24)は射殺された。イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が関与を示唆している。
事件を受けて、スースには29日、英国とドイツ、フランスの各内相が駆け付けた。
ガルサッリ内相は3人との共同記者会見で「まず最初の一団を逮捕した」と発表。この集団は容疑者の背後にあった人脈の一角だと述べた。同内相はまた、政府が「反民主主義」や「憎悪」を扇動するモスク(イスラム教礼拝所)の閉鎖に踏み切ることもあり得ると語った。
チュニジアのシド首相は同日、CNNとのインタビューで、レズキ容疑者がテロ組織にかかわっていたことを示す情報は現時点でほとんどないと語る一方、同容疑者が「あるモスク」から影響を受けていた可能性を指摘。また、容疑者はソーシャルメディアを通してテロの準備を進めていたとの見方を示した。
英国のメイ首相は、各国がチュニジア当局と団結してテロに立ち向かうと強調した。内相らの会合に続き、各国の専門家らが集まって会合を開く予定だという。
キャメロン英首相の報道官は29日、死者のうち30人は英国人だった可能性があると述べた。英国人が犠牲になったテロとしては、2005年にロンドンで起きた地下鉄爆破事件以来、最悪の規模となる。
キャメロン首相は英下院で、今後数日のうちにロンドンで治安、緊急対策当局者らによる大規模な対テロ演習を実施すると発表した。事件から1週間後の7月3日には、全英で黙とうの時間を設けるという。
26日にはクウェートのモスクや、フランス南東部リヨン郊外の米国系工場でもテロが発生した。それぞれの事件の間に関連があったかどうかは明らかになっていない。