(CNN) イランの核問題をめぐり、国連安全保障理事会常任理事国(米英仏中ロ)とドイツ、欧州連合(EU)がウィーンで開いている同国との外相級交渉は、30日の期限を前に大詰めを迎えている。
ケリー米国務長官は28日も、イランのザリフ外相、EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表(外相に相当)とそれぞれ会談した。
モゲリーニ上級代表は会談に先立ち、記者団に「ジュネーブで4月に成立した枠組み合意から、今後2~3日のうちに包括的な最終合意まで到達しなければならない」と指摘。交渉は困難だが不可能ではないとの見方を示し、「政治的意志の問題だ。この合意は何よりもまず核不拡散の意味を持つ。つまり世界の安全保障の行方を左右するということだ」と述べた。
また米政府高官は同日、合意の期限が延長される可能性を改めて指摘した。同高官は「これまで話してきた通り、もう少し時間が必要とされる場合は2~3日の延長もあり得る。各代表団は30日以降もウィーンに残って交渉を続ける予定だ」と言明する一方、「我々は今回の交渉で包括合意を成立させることに集中している。長期の延長を検討する声はない」と強調した。
各国の外相らは28日の昼すぎ、再び交渉に入った。
交渉の焦点となっているのは、イランが国際原子力機関(IAEA)による核施設の査察を認めるかどうかという問題と、欧米諸国が対イラン制裁をどの時点で解除するのかという問題だ。
ケリー長官は合意成立への見通しを問われ、「双方とも明るい見通しを持っていると言っていいと思う。非常に難しい問題もいくつかあるが、それぞれの立場から解決に努めなければならない」との認識を示した。
一方、イランの国営プレスTVが28日に伝えたところによれば、同国のラリジャニ国会議長は「こちらから一段の譲歩を引き出すための宣伝工作として、過剰な要求を突きつけている」と欧米諸国を批判。そうした行為をやめるよう警告を発したという。
交渉期限が迫る中、合意にこぎつけられるか