米最高裁、全米で同性婚認める

最高裁の判決で同性婚支持者が喜びにわいた=ワシントン

2015.06.27 Sat posted at 15:31 JST

ワシントン(CNN) 米連邦最高裁判所は26日、米国内の全州で同性婚を認める判決を下した。同性愛者の権利を擁護する人々にとっては歴史的な勝利となった。

判決は9人の判事のうち、中道派のアントニー・ケネディー裁判官とリベラル系の裁判官4人が支持した。保守系の裁判官4人は全員が反対意見を書いた。

1969年に「ストーンウォールの反乱」を契機として現代の同性愛運動が始まって以来、市民権を求める闘いは今日まで46年近くに及んだ。

ケネディー裁判官は意見書で、家族、愛、自由といった根源的な価値観について、雄弁に説明。「結婚ほど深い結びつきはない。結婚は愛や忠誠、献身、犠牲、家族の最高の理想を具現化するからだ」「結婚により、2人はそれまで以上の存在になる」と述べた。

同裁判官がその上で、同性婚のカップルは全ての州で結婚する権利を行使できるとの重要な一節を読み上げると、傍聴席にいた人々からは笑顔や喜びの涙がもれた。

オバマ大統領からの祝福の電話を受ける原告の男性

一方、反対意見を書いたアントニン・スカリア裁判官は、判決について、「米国の民主主義への脅威」とした。ジョン・ロバーツ長官は、判決は「憲法とは何ら関係がない」とする意見書を書いた。

米国は全国で同性婚を合法化した21番目の国となった。同性婚のカップルは今後、異性婚のカップルと同様の権利を享受できるようになり、公的な書類でも認知される。

判決を受けて、オバマ米大統領は、原告代表を務めたジム・オバーグフェル氏に祝意を表明。またホワイトハウスでの会見でも、小さな行動を積み上げることで「愛は愛であると全米に少しずつ気がつかせた」として、米国人はこの判決を誇りに思うべきだと述べた。

米最高裁、全米で同性婚認める オバマ大統領が原告に祝意の電話

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