(CNN) プレゼントの包装紙をはがしたら、出てきたのはまったく欲しくない品物。でもがっかりした気持ちを表に出すわけにもいかず、贈り主には愛想笑いをしてみせる——そんな経験は誰にもあるだろう。
今週、ドイツを訪問中の英エリザベス女王もそんな状況に出くわした。だが、女王はいつもの控えめな態度とは違い、自分の気持ちをはっきりと贈り主に示した。
「事件」はドイツのガウク大統領がベルリンの大統領官邸に女王を迎えた時に起きた。
大統領は「ロイヤルブルーの馬」と題する絵画を女王に贈った。ドイツ人画家の作品で、幼いエリザベス女王が馬に乗り、かたわらに立つ父ジョージ6世がその手綱を持っているというものだ。
女王が夫フィリップ殿下とともに絵にゆっくり近づくと、大統領は温かい笑みを浮かべてプレゼントを披露した。
「(描かれている人物は)私の父のつもりですか?」と女王は述べた。
「そうです、そうです」と、大統領は明るく答える。
「父上だと分からなかった?」と、フィリップ殿下が助け船を出す。
「ええ、あまり」と、そっけない女王の返事。周囲は笑うしかない。
「お気に召さないようなら、こちらのマジパンを」と言いながら大統領は菓子を示し、その場の空気を和らげようと努め、笑いが続いた。
もっとも、この絵には専門家も批判的な見方を示す。
美術評論家のエステル・ラバット氏はCNNの取材に対し、「(在任中に出会った各国首脳の肖像画を描いて公開している)ジョージ・ブッシュ前米大統領のほうが上手な女王の肖像を描くはずだ」と語った。
英女王が肖像画を見たときの反応