(CNN) コロンビア西部の密林に小型機が墜落する事故があり、乗客として乗っていた19歳の女性と生後5カ月の息子が24日、事故発生から4日ぶりに救出された。
コロンビア空軍によると同機は20日、西部チョコ県の空港を離陸してから15分後の午後1時ごろに墜落して炎上。マリア・ネリー・ムリジョさん(19)は足首の骨折ややけどなどの重傷を負いながら、息子を連れて脱出した。
操縦士は墜落の衝撃で死亡。21日の捜索で遺体と機体の残骸が見つかった。墜落原因は調査中だが、客室の損傷が少なかったためにムリジョさん母子は助かったとみられる。
ムリジョさんは捜索の手がかりとしてもらうため、子どもの出生証明書や自分の携帯電話、パイロットの財布などを現場に残して避難。捜索ヘリコプターの音を聞いて現場付近に戻り、無事救出された。発見されるまでの4日間、息子に母乳を飲ませ、自身はココナッツの汁を飲んで生き延びていたという。
2人はヘリコプターで病院に運ばれたが、赤ん坊は非常に元気そうな様子だった。ただ、おむつが切れたためにお尻だけは汚れていた。
捜索に当たった軍の幹部は、「母親は息子を連れてすぐに機外へ脱出しなければならないと判断し、足首を骨折していたにもかかわらず必死で客室の扉を開けた。自分はやけどを負いながらも赤ん坊を守り、炎上する機体から脱出させた」と称賛。「生き延びることができたのは、決してあきらめなかったから」と指摘している。
母親の意志の力で生還