(CNN) スウェーデンで17世紀の聖職者のミイラ化した遺体を調べていた同国のルンド大学の研究チームは、驚くべき発見をした。聖職者の遺体の足下に、4〜5カ月の胎児の遺体が隠れていたのだ。
この聖職者は同大学の創設者の1人でもあるペーデル・ウィンストループ監督。1679年に74歳で死去し、その1年後にルンド大聖堂に葬られた。
胎児の存在は、昨年12月に行われたCTを使った調査で見つかった。
調査を行っている同大附属歴史博物館のペール・カールステン館長は「監督の近親者か誰かが、棺(ひつぎ)の準備をしている間に忍び込ませたとしか考えられない。DNAテストで血縁関係の有無を明らかにできるのではと思っている」と述べた。
ルンド大学の声明によれば、CTの結果、監督は一般的なやり方で防腐措置を施されたのではなく「単に自然乾燥された」ことが明らかになった。そのために内臓も手つかずの状態で残されていたという。
ルンド大学によれば、ウィンストループ監督のミイラは1600年代の欧州で最も保存状況のよい遺体の一つと見られる。カールステン館長も「遺体は医学の歴史における貴重な史料の一部に位置づけられる。1600年代に暮らした人々の生活状況や健康状態の解明につながる」と語る。
CT調査の結果、監督はかなり長期にわたって病床に伏しており、結核と肺炎を患っていたことが分かった。
食生活は豊かだったらしい。虫歯があったことから砂糖を使った食品を口にしていたことがうかがえる。また胆石の存在は、脂肪分の高い食品をかなり食べていた可能性を示唆する。
研究チームは今後、棺に使われていた植物性の素材や布についての調査を行うという。