被告に死刑判決、初めての謝罪も ボストン爆破テロ

30の罪状で有罪となったツァルナエフ被告。うち6件について死刑に相当と判断された

2015.06.25 Thu posted at 10:36 JST

ボストン(CNN) 2013年4月に起きたボストン・マラソン爆破テロ事件で、マサチューセッツ地区連邦地裁のジョージ・オトゥール裁判官は24日、評決に従って正式にジョハル・ツァルナエフ被告(21)に死刑判決を言い渡した。同被告は事件後初めて、被害者や遺族に対する謝罪の言葉を口にした。

被告人席に立ったツァルナエフ被告は低い声で、「私が命を奪ったこと、あなた方を苦しませたこと、被害を発生させたことを申し訳なく思います。取り返しのつかないことをしました」と謝罪し、「亡くなった方や被害者とその家族にアラーの神の慈悲を。あなた方の安らぎと癒し、幸福、強さをお祈りします」と付け加えた。ただ、被害者や遺族と直接視線を合わせることはなく、しきりに下を向いていた。

オトゥール裁判官は判決の中でツァルナエフ被告に対し、「あなたが犯した罪はあなたの名と共に記憶されるだろう。あなたは罪のない人たちを殺害し、傷つけた」と言い渡した。

ツァルナエフ被告は2013年4月15日、兄のタメルラン・ツァルナエフ容疑者(死亡)と共謀してボストン・マラソンのゴール付近に爆弾を仕掛けたとして、30の罪状について有罪を言い渡されていた。評決ではこのうち6件の罪状について、死刑に相当すると判断した。

ツァルナエフ被告は事件後初めて、被害者と遺族に対する謝罪を口にした=Art Lien

爆弾テロでは女性2人と8歳の少年が死亡、260人以上が負傷。17人は手足を切断する重傷を負った。事件後にツァルナエフ兄弟を追っていた警察官1人も殺害された。

公判では被害者や遺族も証言に立ち、家族を失った悲しみや人生が一変してしまった苦しみを訴えた。8歳だった息子を失ったビル・リチャードさんは、ツァルナエフ容疑者に少しでも人間性があれば思いとどまることもできたはずだと指摘し、「私たちは平和を選ぶ」と力を込めた。リチャードさん一家は、死刑が言い渡されて上訴手続きが長引くことは望まないとの理由から被告には終身刑を希望。検察側に対し死刑の求刑を取り下げるよう求めていた。

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