(CNN) 豪メディアはこのほど、中東でイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に参加していたオーストラリア人戦闘員2人が死亡したと報じた。2人はISISが拠点を置くイラク北部モスルにいたとみられる。
死亡が報じられたのはカレド・シャルーフ容疑者と、同容疑者の親友とされるモハメド・エロマー容疑者。現地でエロマー容疑者と結婚したシャルーフ容疑者の娘(14)によると、2人は車に乗り込もうとした時に無人機攻撃で殺害されたという。
オーストラリアのビショップ外相は当局が情報の確認を急いでいると述べる一方、「紛争地帯で必要な情報を得るのは非常に難しい。オーストラリア国民がそのような場所に行くべきではない」と語った。
シャルーフ容疑者は昨年、7歳の息子に人間の頭部を持たせた写真をツイッターに投稿し、「さすが我が息子」というコメントを書き込んで衝撃を呼んだ。
シャルーフ容疑者とエロマー容疑者はツイッター上で、自分たちがシリア軍兵士らの頭部とともに写った写真も公開。豪連邦警察は昨年7月、2人の逮捕状を取っていた。
シャルーフ容疑者は1981年、レバノン出身の両親の間に生まれた。父親との暴力が絶えず、学校から退学処分を受けた。薬物乱用の末に統合失調症を発症。2005年に国内でのテロ計画に関与した疑いで逮捕された。症状が改善した09年に禁錮5年3カ月の禁錮刑を言い渡されたが、拘束期間が刑期に算入されたため3週間後に出所した。
05年のテロ計画を率いていたのはエロマー容疑者のおじに当たる人物だ。禁錮21年の刑を言い渡され、今も収監されている。
シャルーフ容疑者は13年に兄弟のパスポートを使い、妻や子どもたちとシリアへ渡航した。豪メディアは先月、同容疑者の妻が滞在先のシリア北部ラッカから、子どもたちを連れて帰国しようとしていると伝えた。これを受けてアボット首相は、妻が帰国した場合は厳しく処罰すると表明していた。