「ひき肉に刃物忍ばせた」、容疑者が認める NY脱獄

脱獄した2人が滞在していたと見られる山小屋の周囲で捜索が行われている

2015.06.24 Wed posted at 11:33 JST

(CNN) 米ニューヨーク州の刑務所から受刑者2人が脱獄、逃走している事件で、脱獄に加担した疑いで逮捕された刑務所職員が、獄中の2人にのこぎりの刃を届けるため、冷凍したひき肉の中に忍ばせていたことを認めた。捜査当局者が23日、CNNに語った。

殺人罪で服役していたリチャード・マット(49)、デービッド・スウェット(35)の両容疑者は今月6日、同州北東部ダニモラのクリントン刑務所から壁に穴をあけるなどして脱出し、現在も行方が分かっていない。

ジョイス・ミッチェル容疑者(51)は刑務所内の縫製部門に勤務していた。情報筋によると、同容疑者は看守の1人にひき肉を渡し、マット受刑者に届けるよう頼んだ。看守は刑務所のルールに反して、金属探知機を通さずにひき肉を持ち込んだ。

この看守は現在、有給の停職処分を受けている。担当弁護士によると、ひき肉の中に何かが入っているという認識はなかったという。両受刑者の脱獄計画にも気づいていなかったと主張している。

脱獄が判明して以来、大規模な捜索が続いている

情報筋によれば、ミッチェル容疑者は看守らによく焼き菓子などを差し入れ、両受刑者に便宜を図るよう依頼していた。スウェット受刑者をマット受刑者の隣の居室に移してほしいと頼んだこともあるという。同容疑者はマット受刑者と性的関係をもっていたとされる。

ミッチェル容疑者の夫、ライル・ミッチェルさんは23日放送のテレビ番組で、2人が脱獄した直後、同容疑者から「あなたを狙う計画があった」と聞かされたことを明らかにした。

それによると、マット受刑者は脱獄の際、ミッチェル容疑者が薬でライルさんを眠らせたうえで2人を出迎えるよう提案。同容疑者がこれを断ると、裏切ったらライルさんを殺すなどと脅迫した。

ミッチェル容疑者は当日、2人との待ち合わせ場所に行かず、パニック発作で入院。ライルさんに「抜き差しならない状況にはまってしまった」と話したという。

2人は壁に穴をあけるなどして脱出した=Office of Governor of New York

同容疑者との待ち合わせに失敗したマット受刑者らは、自力で逃走したとみられる。CNNが捜査筋から得た情報によると、刑務所から西へ約30キロの山小屋で20日、2人の持ち物とみられる長靴などが見つかった。

室内の様子などから、両受刑者はあわてて山小屋を去ったとみられる。1人は裸足のまま逃げている可能性があるという。

2人の行方を追う捜査チームは交代で、周囲のやぶなどを徹底的に調べている。

「ひき肉の中に刃物」 容疑者認める

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