香港議会、中国主導の行政トップ選挙改革法案を否決

民主派は改革案の否決を訴えてきた=4月、議会建物前

2015.06.18 Thu posted at 18:33 JST

香港(CNN) 香港の議会に相当する立法会(定数70)は18日、香港の地方政府トップの行政長官選挙をめぐる制度改革案の採決を行い、反対28票、賛成8票で否決した。

親中派の議員は法案否決を見越し、採決の土壇場になって議場から退場する行動に出た。否決は1997年に英国から香港の主権を取り返した中国政府にとってメンツを失う結果ともなっている。

法案は中国政府が示した内容に沿うもので、1人1票の投票を認めるものの、事前に候補者を少数に絞り込むため、民主派の立候補者が退けられるとの疑念を招いていた。法案を巡っては昨年秋、学生らが中心になって主要道路を占拠し、法案廃棄や行政長官解任などを要求する大規模デモを起こしていた。

香港政府と中国政府はこれまで、制度改革案の見直しはないと主張。改革案が実現しない場合、その責任は反対した者にあるとの立場を示していた。香港政府のナンバー2である林鄭月娥・政務長官は18日の立法会での改革案審議に当たり「民主的な選挙は決して実現しない夢になる可能性がある」とも警告していた。

昨年の香港デモには多くの若者が参加した=昨年11月、金鐘地区

行政長官選挙の改革案導入は見送られたものの、現状では民主派と親中派との間に妥協が早期に成立する見通しはない。この中で民主派は、中国の特別行政区との位置付けが公式に失効する2047年を見すえた戦略を練り始めている。

昨年秋の学生デモを主導した中心人物の1人はCNNの取材に、自らのグループは今後1~2年間、市民としての不服従運動は一切計画していないと指摘。代わりに、2047年以降の香港の将来を決める住民投票開催の権利を得るための運動開始への意欲を示した。

香港議会、中国主導の行政トップ選挙改革法案を否決

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