イラク開戦時の元米国防長官、民主化構想への疑念吐露

ラムズフェルド元国防長官

2015.06.11 Thu posted at 17:40 JST

ワシントン(CNN) 米国のブッシュ前政権でイラク軍事作戦に関与したラムズフェルド元国防長官は11日までに、英紙タイムズとの会見でイラクでの民主主義構築への疑念を当初抱いていたことを吐露したことに関連し、同作戦に関する自らの以前の見解と矛盾するものではないと主張した。

CNNとの会見で述べた。同氏はまた、タイムズが会見内容の見出しに、イラクでの民主主義確立を目標にしていたブッシュ前大統領への批判を示唆する表現で掲げたことに関連し、「馬鹿げている」と述べた。

同紙によると、ラムズフェルド氏は会見で、イラクに民主主義を育てるとの考えは非現実的に思えたと述懐。最初にこの言葉を耳にした時、心配したとし、「我々が思い描く民主主義のひな型が歴史上、他国にとっても常に適切だと考える人間ではない」と指摘した。

元長官はCNNとの電話会見で、軍事作戦開始時の自らの思いに触れ、「フセイン元大統領の排除や大量破壊兵器を保持せず、他国に侵略しない新政権の樹立だった」などと指摘。「この理解は私だけでなく、全ての者の了解事項と考えていた」と語った。

ラムズフェルド氏はイラクに民主主義を育てる考えが「非現実的に思えた」と発言

ただ、英紙ガーディアンなど他のメディアは元長官が2003年5月、米外交問題評議会での演説でイラクでの民主主義の実現は可能とした発言を取り上げ、言動の矛盾点を追及。

ラムズフェルド氏はCNNとの会見で、同評議会での演説内容を撤回する考えはないとし、民主主義的なイラクは中東地域での模範となるだろうと主張。その上で、この考えは同国での民主主義確立への疑念やフセイン元大統領の政権追放後の自らの目標がより穏健的なものだったとする立場に相反するものではないと述べた。

イラク開戦時の元米国防長官、民主化構想への疑念吐露

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