同性愛者の広告に抗議、銀行から資金引き揚げ 米伝道師

フランクリン・グラハム氏

2015.06.10 Wed posted at 15:45 JST

(CNNMoney) 米国のキリスト教伝道師、フランクリン・グラハム氏(62)はこのほど、米銀大手ウェルズ・ファーゴが広告に同性愛カップルを登場させたことに強い反発を示し、自身が率いる団体の資金を全て別の銀行へ移すと宣言した。

ウェルズ・ファーゴの広告には今年4月、女性の同性愛カップルが登場した。同性愛者を起用した米銀の広告はこれが初めてとされる。

グラハム氏は今月5日、フェイスブックで「大企業やメディアが我々に道徳退廃の流れを押し付けている」と批判。「ビリー・グラハム伝道協会」の資金をウェルズ・ファーゴから引き揚げると表明した。

同協会はウェルズ・ファーゴの複数の口座に総額1億ドル(125億円)余りの資金を保有しているとみられる。協会によると、資金の移動先は米BB&T。報道担当者によれば、すでに口座を移すための手続きに入っていて、約1カ月後に完了するという。

ただソーシャルメディア上の指摘によれば、BB&Tはフロリダ州で毎年開催されるイベント「マイアミ・ビーチ・ゲイ・プライド」のスポンサーに名を連ねている。BB&Tの報道担当者は「我々は多様性と寛容を重んじる」と強調しつつ、同イベントのスポンサーだからといって必ずしも趣旨に賛同しているとは限らないと説明した。

グラハム氏はウェルズ・ファーゴのCMに反発=YOUTUBE.COMから

グラハム氏はさらに、米高級宝飾品大手ティファニーが今年1月、広告に男性同士の婚約シーンを使ったことを理由に、同社へのボイコットも表明した。

フェイスブック上の同氏の投稿には賛同を示す「いいね」の声が9万5000件も寄せられ、シェア件数は4万2600件に上っている。一方で、1万1000件余りのコメントには激しい非難の言葉も並ぶ。

ウェルズ・ファーゴの報道担当者は「広告に批判がないとは思っていなかったが、全体的としては好意的な反応が圧倒的に多い」と話している。

グラハム氏は1950年代にテレビ伝道師として名を知られたビリー・グラハム氏の息子。ビリー氏が設立した協会を引き継ぎ、放送や地域奉仕活動、インターネットを通した布教活動を続けている。

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