オーストリア西部テルフス・ブーヘン(CNN) 主要7カ国首脳会議(G7サミット)が7日、ドイツ南部の保養地エルマウで開幕した。ウクライナ紛争への対応などをめぐり、オバマ米大統領ら各国首脳が意見を交換する。
主要国首脳会議は昨年、ウクライナ情勢を受けてロシアが排除され、G8からG7になった。
欧州連合(EU)のトゥスク大統領は7日の記者会見で「我々は全員、G7へのロシア復帰を望んでいる。しかし同国がウクライナなどで攻撃的な行動を続ける限り、招かれることはないだろう」と述べた。
オバマ大統領は7日、ロシアによるウクライナへの「侵略」が会議の主要議題になると指摘。これに加えて貿易振興や気候変動、過激派との戦いなどのテーマを挙げた。会議ではさらに、ギリシャの債務危機も議題に上る見通しだ。
オバマ大統領はウクライナ紛争について「平和的な外交解決は可能」との考えを示したうえで、そのためには欧米や世界全体が「領土の保全と主権」を守るという原則を尊重することが重要だと述べた。
米ホワイトハウスによると、大統領は同日、メルケル独首相との個別会談で、今年2月に成立したウクライナ東部の停戦合意に言及。欧米がロシアに科している経済制裁の継続期間は、ロシアによる合意の完全履行と明確に連動させるべきだと強調した。両首脳は会談の半分以上をウクライナ情勢に費やしたという。
米政権ではこれまで、バイデン副大統領ら複数の高官が、ウクライナ政府に殺傷能力のある武器を供与する可能性に言及している。しかしメルケル首相をはじめとする欧州諸国の首脳らは、暴力の激化を懸念して強く反対。オバマ大統領も供与には慎重な姿勢を示している。
大統領らは会談に先立ち、ドイツ・アルプスの村クリュンを訪問。上着を脱いでビールを楽しむなど、住民らと交流した。
オバマ大統領は会議で対ロシア制裁の延長を主張するほか、過激派組織「シリア・イラク・イスラム国(ISIS)」との戦いで支援強化を呼び掛ける見通し。
G7開幕、ウクライナ情勢など協議