厳重刑務所から2人が脱獄、電動工具で壁破る NY州

脱獄した2人の受刑者の有力情報には10万ドルが支払われるという

2015.06.08 Mon posted at 11:02 JST

(CNN) 厳重な警備で知られる米ニューヨーク州北東部の刑務所から、殺人罪で服役中だった受刑者2人が脱獄した。米連邦保安局は8日までに2人の指名手配を発表して全力で行方を追っており、ニューヨーク州のクオモ知事は、2人の逮捕につながる情報に10万ドル(約1256万円)の賞金を支払うと発表した。

脱獄したのは同州ダニモラにあるクリントン刑務所で服役していたリチャード・マット(49)、デービッド・スウェット(35)の両受刑者。警察によると、6日早朝の点呼時に、監房から姿が消えているのが見つかったという。

2人は隣り合った監房に収監されていたが、電動工具で鉄製の壁やパイプに穴を開け、迷路のように入り組んだ導管から下水道へ出て、外部のマンホールに到達したとみられる。

看守が最後に姿を確認したのは5日午後10時半の点呼時だった。夜間は看守が2時間ごとに巡回して受刑者がベッドにいることを目視で確認しているが、2人は衣類などをベッドに詰め、フードをかぶって寝ているように見せかける工作をしていたという。

同刑務所からの脱獄は、1845年の開設以来初めて。パイプに張られた黄色い付箋には、「良い1日を!」というメッセージが残されていた。

電動工具で切開されたとみられる鉄製のパイプ

2人が一緒に逃走しているのかどうかは不明。脱獄や逃走を手助けした人物がいるのかどうかも分かっていない。電動工具などは刑務所施設のメンテナンスを行っていた作業員から入手した可能性があり、当局は作業を請け負っていた会社から事情を聴いている。

7日までに寄せられた情報は150件を超え、連邦保安局や連邦捜査局(FBI)などは捜査員250人あまりを動員して大がかりな捜索を行っている。

脱獄のあった刑務所がカナダとの国境に近いことや、脱獄した2人のうち少なくとも1人が過去にメキシコと関係していたことから、両国の国境警備隊にも警戒を促した。

マット受刑者は1997年に男性を誘拐して撲殺した罪で禁錮25年~終身刑を言い渡されて服役中だった。スウェット受刑者は2002年に副保安官を殺害した罪に問われ、仮釈放なしの終身刑を言い渡されていた。

巧妙かつ大胆な脱獄の手口が明らかに

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