ワシントン(CNN) 米空軍は6日までに、少なくとも音速の5倍の速さを持つ無人の極超音速航空機の開発を2023年までに完成させる計画を発表した。
空軍の科学技術担当責任者がCNNに、同機完成の目標時期などを明らかにした。ただ、実現には克服すべき課題がまだあるとも指摘。新たな飛行誘導システムや機体の素材の開発が必要とした。ロシアと中国も極超音速航空機の製造や試験に活発な動きを見せているとされる。
別の空軍幹部は昨年、同機が完成すれば戦争の形態を変える武器になるとも予想。長距離にわたって非常な高速で飛行するため標的に達する前の探知が事実上不可能になるとも指摘していた。
米国防総省は過去数年にわたり、この種の航空機の実験を重ね、太平洋上空で爆撃機から離して飛行させ、一定の成果を上げてきた。
極超音速航空機と呼ばれるには少なくとも音速の5倍での飛行が必要。時速換算では約6116キロとなる。約30分で米本土の横断が出来る計算ともなる。
同機には、空気吸い込み機能を高めるミサイル技術が導入される予定で、現在開発されている。この技術はマッハ1もしくは2の飛行を可能にし、標準型のミサイルと比べより効率的な飛行が実現するとしている。
米軍による極超音速航空機「ウエーブライダー」の一連の実験飛行は失敗が続いていたが、2013年5月に実施された最後となる4回目の実験で、海上に墜落する前にマッハ5を記録する狙い通りの成果を得ていた。これらの実験は04年に発案された、経費が3億ドルの軍プロジェクトの一環。最初の実験は09年だった。
米軍が進める極超音速機の開発