米就業者数が28万人増、予想上回る 5月雇用統計

5月の就業者数が28万人増

2015.06.06 Sat posted at 12:36 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米労働省は5日、5月の雇用統計を発表した。非農業部門の雇用者数は28万人増加で、アナリスト予想の22万2千人を上回り、冬場にいったん低調となった雇用情勢が再び改善していることを示す結果となった。

英バークレイズのシニア・エコノミスト、ジェシ・ヒューウィッツ氏によると、今回の統計は予想よりも力強い内容で、米労働市場の力が依然として堅調であることを示しているという。

失業率は5.5%で、前月から若干上昇した。エコノミストによれば、職探しを再開する人が増加したためとみられる。

国際通貨基金(IMF)が先に懸念を示していた賃金の伸びについては、2.3%の上昇となった。FRBが望ましいとする3.5%には届いていないが、予想を上回る伸びであり、この2年近くで最高水準だ。賃金は経済指標の中でも回復が遅れていた。

幅広い分野で増加がみられた

職種別では、高技能職を始めとする幅広い分野で雇用が増加。サービス業や医療が増加したほか、マーケティングや会計などの業種でも増加した。建設業の雇用も伸びている。

唯一足を引っ張ったのがエネルギー業界。天然ガスや石油価格の低下を受け、引き続き雇用を削減している。鉱業でも雇用が失われた。ただ、今回の統計が全体として強い数字であったことには変わりない。

FRBは17日、米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合を開く予定で、雇用統計の伸びは良いタイミングだ。FRBが6月に利上げに踏み切ることはないとみられるが、経済情勢の改善が続けば約10年ぶりとなる利上げが実現する日もきそうだ。

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