(CNN) ウクライナ軍総司令部は3日、親ロシア派武装勢力との戦闘が続く東部ドネツク市周辺で同日未明、同派が政府軍の支配地域に激しい砲撃などを行い、戦闘が発生したと報告した。
ウクライナと親ロシア派などが今年2月に成立させた停戦合意後も衝突は散発的に起きていたが、今回は最悪規模との見方がある。停戦合意にはロシア、ドイツ、フランスも関与していた。
総司令部によると、ドネツク市からの砲撃の標的は政府軍が押さえるマリンカだった。同地は戦略的に重要な西方面へ伸びる高速道路上に位置する。西方面には、親ロシア派の制圧地域の最終的な境界線を監視する検問所もある。
砲撃に伴い親ロシア派の戦闘員約200人がウクライナ軍の陣地などを攻撃し、交戦は6時間続いた。軍兵士25人が負傷、拠点が包囲されたとの情報も当初流れたが、否定した。
親ロシア派が樹立を宣言した「ドネツク人民共和国」の報道担当者はマリンカでの戦闘を確認。政府軍の挑発が戦端になったと主張した。ウクライナ軍は親ロシア派が握っているドネツク市の一部地区に夜通しで砲撃を加えたとも語った。
同共和国の国防相を名乗る人物は親ロシア派系の通信社に、マリンカを攻撃したことを否定。ロシア通信によると、ドネツク市長と自称する人物は、市内への攻撃で民間人4人が死亡、2人が負傷したと述べた。
欧州の外交官はCNNに、初期段階の情報は親ロシア派によるロケット弾などの重火器を用いたマリンカ攻撃を示唆していると指摘。ドネツクが夜通し、激しい砲撃を受けたとの報告もあると述べた。これらの攻撃が事実なら、停戦合意の極めて重大な違反に当たるとも語った。
ウクライナ東部で激しい戦闘