FIFA汚職 元理事が賄賂の受け取りを認める

FIFAのブレーザー元理事。W杯開催に関連した理事らによる収賄の事実を認めた

2015.06.04 Thu posted at 12:24 JST

(CNN) 国際サッカー連盟(FIFA)幹部らが多額の賄賂を受け取っていたとされる汚職事件で、FIFAの元理事が自らを含む理事らによる収賄を認めていたことが、4日までに公開された裁判記録から明らかになった。

賄賂の受け取りを認めたのはFIFAのチャック・ブレーザー元理事(70)。1998年と2010年のワールドカップ(W杯)に関連して、自分や他の理事が賄賂を受け取ったと証言した。

今回の事件を受け、国際刑事警察機構(インターポール)は、FIFAのジャック・ワーナー元副会長を含む6人を国際手配している。

ブレーザー元理事は1997年から2013年までFIFAの理事を務めていた。公開された記録によると、同元理事は法廷での答弁で、自分を含むFIFAの理事数人が2004年から11年にかけて賄賂を受け取り、2010年W杯が南アフリカで開催されるよう便宜を図ったと証言した。

さらに1998年W杯の招致に関しても贈収賄をそそのかした経緯について語ったとされる。

別の裁判記録によれば、ブレーザー元理事が関与した賄賂はモロッコの当局からFIFAのある理事に渡った。しかしモロッコへの招致は実現せず、98年の大会はフランスでの開催が決まった。

FIFAのブラッター会長。辞意表明も捜査の手は緩まず

記録によると、ブレーザー元理事は「FIFAと北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)にかかわっていた当時、私は他の理事らと、少なくとも2件のゆすり行為を働くことで合意した」と証言している。

ブレーザー元理事はゆすりの共謀罪や資金洗浄、脱税などの罪に問われ、2013年に罪状を認めた。今回公表された文書は、同年11月にブレーザー元理事がニューヨークの裁判所に出廷した時の証言内容を記録したもの。同元理事は司法取引に応じて10件の罪状を認めているが、まだ判決は言い渡されていない。

今回の事件で米司法省は先ごろ、FIFA関係者など14人の起訴を発表している。インターポールがこのほど国際手配したのはこのうちの6人だ。

現時点で司法省に起訴された人物の中に、FIFAのブラッター会長は含まれていない。しかし米当局者は同会長が辞意を表明した2日、汚職事件に関連して引き続き会長本人に対する捜査を進めていることを明らかにした。

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