(CNN) ロシアは1日までに、同国への入国を禁止した人物として、欧州など17カ国の政治家や軍指導者ら89人のリストを示した。ウクライナ問題をめぐる制裁への対抗措置としている。
ロシアのタス通信によると、ロシア外務省の高官は匿名で「入国禁止となった人物の名前についてのコメントは控える」と語る一方、リストを欧州側に渡したことを確認。欧州連合(EU)による制裁への対抗措置だと明言した。同高官はまた、メディアが一部の名前を報道したことが事態を複雑化させていると批判した。
ロシア側のリストに対し、EUの報道官は「恣意的で不当な措置だ」と反発を示した。
英外務省の報道官はCNNとのインタビューで「ロシアは法的根拠を示していない」と指摘。「このような措置でEUの制裁を変えさせることができると思っているなら大間違いだ。制裁解除のためにはロシアがウクライナから軍を撤退させ、停戦合意を履行する必要がある」と述べた。
欧州議会のシュルツ議長はロシアの「不透明」な姿勢を批判している。これまでもロシアへ向かった欧州議会の議員らが、理由の説明なしで入国を拒否されるケースが相次いでいたという。
リストには、プーチン政権を厳しく批判してきたクレッグ前英副首相らの名前が挙がっているとされる。ベルギーの政治家はツイッター上で自身の名前がリストに記載されていることに言及し、「身に余る光栄です、プーチン氏よ」とつぶやいた。