FIFA汚職疑惑 ナイキが関与否定、「捜査に協力」

ナイキは賄賂やリベートへの関与を否定

2015.05.29 Fri posted at 16:20 JST

(CNNMoney) 国際サッカー連盟(FIFA)の幹部らが巨額の賄賂などを受け取ったとされる汚職事件に関連して、スポーツ用品大手のナイキも騒動に巻き込まれている。同社は声明を発表し、同社従業員は賄賂やリベートについて関知していないとして、当局の捜査への協力を表明している。

米司法省が27日に公表した起訴状にはスポーツ用品会社の社名は記されていないものの、サッカー・ブラジル代表の1996年のスポンサー権獲得に絡み、2つの企業が仮名で登場する。この年、ブラジル代表のスポンサー権を獲得し、サッカーシューズとユニフォームの提供を始めていたのはナイキだった。

ナイキは27日に発表した声明で、FIFA幹部の汚職疑惑については非常に憂慮していると述べ、社としていかなる不正操作や贈収賄にも強く反対していると強調。「今までもこれからも当局に協力する」とコメントした。

28日にはさらに、「(起訴状では)当社が犯罪に関与したとは言っていないし、当社従業員がそうと知りながら、あるいは意図的に、贈賄やリベートに関与したとは言っていない」と主張した。

ナイキが1996年にスポンサー契約を結んだサッカーのブラジル代表

起訴状に仮名で記された「スポーツウエア会社」は、ブラジル代表との契約を獲得するために、スポーツマーケティング企業のトラフィック・グループと取引したとされる。同社の創業者は、報道機関やスポンサー企業との仲介役となる目的でFIFA幹部に賄賂を贈ったことを認めている。

起訴状によれば、「スポーツウエア会社Aはスイスの銀行口座を通じ、4000万ドル(約50億円)の報酬を契約金に上乗せしてトラフィック社の子会社に支払うことに同意。トラフィック社はさらに、1996~99年にかけて3000万ドル(約37億円)の手数料を同社に請求した」とされる。

ナイキの説明通り、起訴状はスポーツウエア会社Aからトラフィック・グループへの支払いについて、違法もしくは賄賂だったとの見方は示していない。ただ、トラフィック・グループと創業者が受け取った金は、FIFA幹部への違法な賄賂に使用されたと指摘している。

ナイキと競合するアディダスはFIFAの公式スポンサーとして年間推定3160万ドル(約40億円)をFIFAに支払っている。ナイキはFIFAとは公式スポンサー契約を結んでいない。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。