中国人宇宙飛行士、国際宇宙ステーションへの参加に期待

中国の宇宙飛行士、聶海勝氏。宇宙開発分野での各国と中国との連携強化に意欲を示した

2015.05.29 Fri posted at 10:43 JST

北京(CNN) 中国のベテラン宇宙飛行士、聶海勝氏がCNNの単独インタビューに答え、宇宙開発の分野で中国は米国をはじめとする他国との協力関係を強化したい意向だと語った。

国際宇宙ステーション(ISS)では米国、ロシア、日本など15カ国が協力している。しかし中国の参加は米議会の根強い抵抗があって実現していない。

インタビューは4月に北京近郊で行われた。聶氏はこの中で、「私は宇宙飛行士として、他国の宇宙飛行士と一緒に飛びたいという強い願望がある。ISSへもぜひ行ってみたい。多くの国が宇宙開発計画を進める中、中国も大国として、この分野で独自の貢献をする必要がある」と訴えた。

米議会は2011年、国家安全保障上の懸念があるとして、米航空宇宙局(NASA)が中国の宇宙開発計画にかかわる人物と相互関係を持つことを禁じる条項を通過させた。

しかし聶氏はそうした懸念の払拭(ふっしょく)に努め、「米国とロシアは宇宙開発計画を始めたパイオニアだ」と指摘。中国が打ち上げる宇宙ステーションには外国の宇宙飛行士も歓迎すると表明した。

日本、米国など15カ国が運用する国際宇宙ステーション(ISS)。米国は国家安全保障上の懸念から中国の参加を認めていない

中国の宇宙ステーションは2022年の完成が見込まれる。ISSはこの頃までに予算を使い果たす見通しで、中国が宇宙でプレゼンスを維持する唯一の国になる可能性もある。

中国は昨年10月、無人探査機を月の軌道に到達させ、地球に帰還させることにも成功した。同国の狙いは月に宇宙飛行士を送り込むことにあると多くの専門家はみる。

しかし聶氏はそれには直接言及せず、「次の段階として注力するのは、宇宙ステーション『天宮2号』の打ち上げ計画だ。今後はより具体的な準備作業に入っていく」と語った。

中国人宇宙飛行士を単独取材

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