FIFA汚職 米当局、元副会長など14人を起訴

汚職を巡りFIFA幹部らが逮捕された

2015.05.28 Thu posted at 15:30 JST

(CNN) 国際サッカー連盟(FIFA)の幹部が賄賂などを受け取った疑いで逮捕された汚職事件に関連して、米司法省は27日、FIFA関係者など14人を恐喝や資金洗浄の共謀罪などでニューヨークの連邦裁判所に起訴したと発表した。

これを受けてFIFAは11人の活動禁止を発表。自らも疑惑の渦中にあるブラッター会長は不正摘発を歓迎する声明を発表した。

27日に起訴された14人のうち6人は現役のFIFA関係者。ほかにジャック・ワーナーFIFA元副会長や、北米や南米のサッカー団体関係者、報道関係者なども含まれる。ワーナー元副会長は声明を発表して自分は無実だと強調、この事件に関連して事情を聴かれたことはないと説明した。

ニューヨークで記者会見した米司法省のリンチ長官は、起訴された幹部らがサッカーを「犯罪集団」に変えてしまったと非難した。最も罪の重い恐喝罪で有罪になれば20年以下の禁錮を言い渡される可能性もある。

記者会見には米連邦捜査局(FBI)のコミー長官や、米内国歳入庁(IRS)の犯罪捜査局を率いるウェバー局長らも同席した。ウェバー局長は、「これはまさに詐欺のワールドカップだ。われわれは本日、FIFAにレッドカードを出した」と宣言した。

W杯招致を巡り捜査も

FIFA幹部らは、過去24年にわたって総額1億5000万ドル(約185億円)を超す賄賂を受け取り、見返りに「実入りのいい放映権やスポンサー権」を供与していたとされる。

ニューヨーク東部地区のカリー検察官は今回の起訴について、サッカーを巡る汚職摘発の「終わりではなく始まり」だと強調した。

FIFAは米当局の発表を受け、関係者11人について「サッカー関連の活動」を禁止すると発表した。この中にはスイスで逮捕された7人や、27日に起訴が発表された人物が含まれる。また、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)や南米サッカー連盟(CONMEBOL)の会長だった人物も対象となった。

一方、スイスの当局は27日、チューリヒにあるFIFAの本部を捜索。ワールドカップ(W杯)の2018年ロシア大会と22年カタール大会の開催地決定についても捜査すると発表した。連邦警察は開催地がロシアに決まった経緯などについて、同国のスポーツ相から事情を聴く方針。

FIFAのブラッター会長。不正摘発を歓迎する声明を発表した

スイスでは同日、FIFAのジェフリー・ウェブ副会長など7人が逮捕された。米司法省のリンチ長官は、同日CONCACAFのフロリダ支部を捜索したことも明らかにした。

米当局は逮捕者の米国移送を求める見通しだが、スイス当局によれば大半が異議を申し立てているという。

FIFAのブラッター会長については、逮捕や起訴はされなかったものの、捜査の対象になっている。ブラッター会長に対する容疑は晴れたのかという質問に対してリンチ長官は、「ブラッター氏の状況についてはこれ以上コメントできない」と言うにとどめた。これに先立ち当局者は、ブラッター氏に対する捜査はまだ続いていると話していた。

ブラッター会長の声明では、FIFAは米国とスイスの当局による捜査を歓迎すると表明。「サッカーにおける一切の不正行為を根絶するため、FIFAが講じてきた対策を強化する一助になる」と評価した。

同会長は29日の総会で再選される可能性がある。イングランド・サッカー協会(FA)のダイク会長からは、これを問題視する意見が出た。欧州サッカー連盟(UEFA)は総会の延期を求め、FIFA会長選については半年以内に改めて実施するよう要求している。

FIFA元副会長などを起訴

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。