韓国・坡州(CNN) ノーベル平和賞受賞者2人を含む約30人の女性運動家らが24日、韓国と北朝鮮を隔てる非武装地帯(DMZ)をバスで横断した。当初は徒歩で実施する計画だった。南北朝鮮間の平和実現の重要性を訴える試みと位置付けている。
30人は「ウィメン・クロス・DMZ」と呼ばれるグループのメンバーで、米国のフェミニストのグロリア・スタイネムさん、ノーベル平和賞を受賞したリベリアの平和活動家レイマ・ボウィさんや英領北アイルランドの平和活動家マイレッド・マグワイアさんらが含まれる。
一行は24日朝、バスで北朝鮮側からDMZを横断し、韓国側の入国管理施設に到着した。北朝鮮に滞在中、「民間外交官」として現地の女性と話し合ったとしている。
同グループは先に、女性が平和構築プロセスに関与する意義を主張。朝鮮戦争で引き離された家族の再会や1953年の休戦協定を恒久的な平和条約に代える必要性などを訴えていた。
ただ、今回の試みについては北朝鮮内の自由実現などを求める他の活動家団体が反発。金正恩(キムジョンウン)第1書記による強権体制下で北朝鮮の女性が直面する苦難を見逃しているなどと批判。朝鮮半島情勢への憂慮が本当なら、DMZより危険な中国と北朝鮮の国境横断を促していた。
中国に不法越境した北朝鮮の女性は人身売買の犠牲となって性産業での労働を強いられ、中国地方部の男性の結婚相手として売られるとの情報もある。
今回のような非武装地帯の横断を韓国、北朝鮮双方が許可するのは異例だが、過去になかったわけではない。2013年にはニュージーランド人のグループがオートバイで、昨年も別のグループが車で横断していた。
ノーベル平和賞受賞者らが非武装地帯横断、批判も 朝鮮半島