ISIS、イラク首都へ向けさらに攻勢 シリアでも支配拡大

避難してきたイラクの人々。ISISが攻勢を続けている

2015.05.23 Sat posted at 11:31 JST

イラク・ブゼビズ橋(CNN) イラク西部アンバル州の州都ラマディを制圧したイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は22日、さらに東に攻勢を強め、フサイバを掌握した。イラクの治安当局者が明らかにした。

フサイバはラマディの東17キロの地点にある小都市。自動車爆弾や機関銃掃射による攻撃でISISが占拠した。目撃者の話によると、政府軍や警察で働いているとみなされた人々がその場で処刑された。

ISISの戦闘員は現在、ラマディ東郊のカリディヤに向かっているとみられる。カリディヤは州都ラマディと軍事基地があるハバニヤの間にある最後の町。ハバニヤは、ラマディ奪還を目指すイラク軍とシーア派民兵の拠点となっている。

この数日、アンバル州から逃れてきた数千人がブゼビズ橋を渡り、首都バグダッドに避難してきていた。だが22日、このブゼビズ橋は閉鎖された。

シリア中部パルミラの世界遺産が破壊されるとの懸念も出ている

閉鎖について、CNNでは地元当局者からの明快な説明は得られなかった。アンバル州に残された人々はISISの恐怖におびえると同時に、政府への怒りを募らせている。

一方、隣国のシリアでは21日、シリア政府統治下にあった最後の対イラク国境検問所がISISに制圧された。英ロンドンに拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」が明らかにした。

陥落したのはタネフの国境検問所。シリア軍はISISの攻勢に遭い、撤退した。ISISはイラク側のアルワリドの検問所も制圧している。

シリア中部のパルミラでもISISの支配地域が広がっている。シリア人権監視団は22日、ISISが郊外の軍事拠点を制圧したと報告。世界遺産に指定されている同市の遺跡に関しても懸念が広がる。

苦境にある避難民たち イラク

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