ISIS、活動資金激減か 原油価格低迷や空爆が影響

2015.05.21 Thu posted at 18:10 JST

ロンドン(CNNMoney) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の活動資金が原油価格の低迷や米軍などによる石油関連施設への空爆などの効果で先細りになっている実態が21日までにわかった。

危機管理コンサルティング企業「ベリスク・メープルクロフト」が報告したもので、同組織が得る原油売却での収入は現在1日当たり約50万米ドル(約6050万円)に激減したと推定している。昨年夏には最大約160万ドルだった。

同社によると、ISISの活動資金源は原油収入に大きく頼り、シリアの油田地帯の約6割を押さえている。しかし、昨年半ば以降の原油価格の低落で実入りが減少。米国主導の有志連合軍の空爆による油田、石油やディーゼル油生産の仮設製油施設や燃料輸送車両の破壊で売却に支障が生まれている。

さらに、米国防総省当局者によると、ISISで原油収入などを統括していた幹部が米軍特殊部隊の強襲で最近殺害され、組織の資金繰りの障害になっているともみられる。

ISISは原油収入に代わる資金調達源を確保するため、支配地域での「納税」強要に頼らざるを得ない状況にあるともされる。同社は報告書で、イラク政府がなお払い続けている公共部門で働く公務員の月給の最大5割分を徴収していると指摘。これらの税金収入は数億ドル相当に達すると推測している。

また、支配地を通過する車両に対しては搭載荷物の評価額の約1割分を要求。商店では年間収入額の2.5%超を取り立てているという。

同社はこれらの徴収は、ISISの最大拠点である北部モスル市などの支配地で公共サービスが崩壊し、住民の反発を買う可能性があるとも指摘した。

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