(CNN) 米カリフォルニア州サンタバーバラ近郊で19日、石油パイプラインが破損して海岸に原油が流出する事故が起きた。
流出が起きたパイプは直径61センチ。米環境保護局(EPA)によれば破損箇所を特定するため、現在、石油の流れを止めてパイプラインの調査が行われている。
原油はリフュージオ・ステート・ビーチに沿って幅30メートル、長さ約14キロにわたって広がっている。
米沿岸警備隊は20日、パイプラインの運営会社プレーンズ・オール・アメリカン・パイプラインの報告に基づき流出量を推定約8万リットルと発表したが、その後見直しを進めていると明らかにした。流出量は39万リットルあまりに及ぶ可能性があるとの見方もある。
「当初発表した数字はパイプラインを所有するプレーンズ社が事故直後に出した推計だったが、十分な裏付けがなかった。あと1〜2日すればもっと状況が分かってくるだろう」と、沿岸警備隊のジョナサン・マコーミック大尉は述べた。
プレーンズ社によれば、パイプラインから流出した原油は地下排水路を経由して太平洋に流れ込んだという。排水路は封鎖されたため、すでに原油の流入は止まっている。
原油はEPAの管轄である陸上のパイプラインから流出し、沿岸警備隊の管轄である海に流れ込んだ。原油流出事故でこのようなケースは珍しく、両者の連携した取り組みが不可欠な状況となっている。
カリフォルニア州も船を出し、原油の回収やオイルフェンスの設置に当たっている。
一方でEPAは、一般市民に対し原油の清掃を行わないよう求めている。海岸に人が入ると「清掃に当たり必要かつ適切な道具、装備、人員、態勢の検証ができなくなる」というのがその理由だ。
リフュージオ・ステート・ビーチはサンタバーバラから30キロほど離れた手つかずの自然が残る美しい海岸。キャンプの名所としても知られている。