200億円集めた慈善団体、支援に金使わず 米

集めた金のうち患者の支援に充てたのは3%だった

2015.05.20 Wed posted at 13:15 JST

ワシントン(CNN) 米連邦取引委員会(FTC)は、親族運営の慈善団体4団体が、がん患者支援の名目で2008~12年にかけて集めた寄付金1億8700万ドル(約226億円)を流用してぜいたく品の購入などに充てていたことが分かったと発表した。摘発には全米50州の司法長官が連携する異例の態勢で臨んだ。

摘発されたのは、がん患者支援をうたう「アメリカがん基金」など4団体。同基金など2団体はジェームズ・レイノルズ氏が代表を務め、乳がんや小児がん患者の支援を装った残り2団体はレイノルズ氏の息子や元妻が代表に就任していた。

FTCによると、レイノルズ氏らは集めた寄付金の約97%を、集金担当者への支払いや自分たちのための出費に充て、がん患者の支援に充てていたのは3%にすぎなかったとされる。

集めた寄付金は車代や私財の購入、大学の授業料、フィットネスクラブの会費、ジェットスキーでのレジャー代、出会い系サイトの会費、豪華クルーズ、コンサートのチケット代、プロスポーツ観戦などに流用していたという。

FTCは4団体を名指しで非難

4団体とも職員には配偶者や子どもを採用するなど身内で固めていた。

確定申告によれば、4団体は海外のがん患者支援のために数百万ドル相当の物資を輸送したはずだった。しかしFTCの調査で、実際にはこうした物資を保有していなかったことが判明。CNNが2014年にグアテマラで行った取材でも、同団体による支援が存在していた痕跡は見つからなかった。

FTCの摘発を受けて、乳がん患者支援団体と小児がん患者支援団体は閉鎖の意向を表明した。両団体の代表はそれぞれ約6000万ドル(約72億円)、3000万ドル(約36億円)の罰金支払いを命じられる可能性がある。

一方、レイノルズ氏はFTCの摘発に対して争う構えを示している。

200億円集めた慈善団体、支援に金使わず 米

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。