米特殊部隊が急襲作戦、シリアでISIS幹部殺害

米特殊部隊はシリアで行った強襲作戦でISIS幹部を殺害した

2015.05.17 Sun posted at 10:14 JST

(CNN) カーター米国防長官によると、米軍特殊部隊は15日夜から16日朝にかけ、シリア東部でイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する急襲作戦を実施し、アブ・サヤフ幹部を殺害した。

作戦では同幹部の妻とみられるイラク人女性が拘束された。女性はイラクで取り調べを受けている。

作戦の内容に詳しい情報筋がCNNに語ったところによると、陸軍特殊部隊デルタフォースの隊員二十数人が多目的ヘリコプター「ブラックホーク」や輸送機「オスプレイ」で、東部デリゾール県にあるシリア最大の油田、オマル油田付近に入った。同県内に6カ所ある油田、ガス田はすべて、昨年7月以降ISISの支配下に入っている。

特殊部隊は現地でISIS拠点のビルを襲撃。ISIS側は女性や子どもを盾にして反撃を試みたが、部隊は同幹部らISISのメンバー十数人のみを殺害することに成功し、隊員も全員が無事に帰還したという。

米政府高官によると、当初の目的はアブ・サヤフ幹部を拘束することだったが、本人が抵抗したため殺害やむなしと判断された。

米国家安全保障会議のミーハン報道官によると、作戦はオバマ米大統領の指示で実行された。同報道官は声明で、イラク当局の協力に感謝する一方、シリアとの間で事前の連携はなかったと述べた。

アブ・サヤフ幹部はISISの主要な資金源とされる石油やガスの取引を統括していた。作戦で押収したコンピューターなどから、ISIS内部の運営や通信、資金調達に関する大量のデータが入手できたという。

専門家らによると、ISIS支配下の油田は米軍の空爆で設備が破壊され、もはや大きな資金源にはなっていない。今回の作戦は、資金調達部門の主要人物を狙うことで、ISISへの資金の流れや犯罪組織とのつながりについて詳細な情報が得られるという点に意味があったとみられる。

作戦ではさらに、イラクのクルド系少数宗派ヤジディ教徒の若い女性1人が保護された。米当局者によれば、アブ・サヤフ幹部と妻はISISが住民らを拉致、連行している活動にもかかわっていた疑いがある。

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