ISIS、イラク首都近くの州都制圧の勢い 庁舎に組織の旗

バグダッド近郊のアンバル州州都ラマディがISISの攻勢を受けている

2015.05.16 Sat posted at 15:41 JST

(CNN) イラク西部アンバル州の州都ラマディの治安当局筋は16日までに、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が同市に攻勢を掛け、攻略に成功する勢いを見せていると述べた。

警察本部や主要なモスク(イスラム教礼拝所)を制圧し、同州政府庁舎にISISの旗を掲げたという。治安当局筋によると、侵攻は14日に始まり、装甲ブルドーザーを使い、少なくとも10件の自爆攻撃を仕掛け、ラマディ市周囲のゲートや防護壁を突破。この後、数十人の戦闘員が侵入したという。

同市を巡る攻防は過去数カ月間続いている。ラマディはイラクの首都バグダッドの西へ約113キロ離れた地点に位置し、ラマディが陥落した場合、首都の治安維持に大きな懸念が生じる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は先に、今年4月だけでラマディ市民約11万4000人がバグダッド中心に市外へ避難したと報告していた。

米政府当局者はラマディ市情勢に触れ、極めて流動的な状況にあるとの認識を表明。イラク軍が市中心部の大半を押さえ、ISISが郊外地域を制する五分五分の攻防になっていると分析した。

イラク軍

アルラウィ同州知事によると、ラマディでの戦闘は15日にも続いた。少なくともイラク軍兵士47人と民間人26人が同日の交戦で死亡したという。

イラク軍などが反撃しており、国営テレビのアルイラキーヤは有志連合軍が少なくとも8回にわたってISIS陣地などを空爆。イラク軍のヘリコプターも地上部隊を支援していると伝えた。

一方、米政府は15日、ラマディ市の情勢緊迫化に伴い、イラク軍への武器支援を加速させることを発表。ホワイトハウスは声明で、供与を急ぐ兵器には車爆弾攻撃に対抗する携行型ロケット弾や弾薬などが含まれるとした。

ISIS、イラク首都近くの州都制圧の勢い

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