(CNN) 米ペンシルベニア州フィラデルフィアで全米鉄道旅客公社(アムトラック)の列車が脱線した事故で、車掌の一人が事故前に、電車に何か当たったと運転士が無線で話しているのを聞いたと証言していることが分かった。国家運輸安全委員会(NTSB)が15日、明らかにした。
この車掌は事故当日の12日、アムトラックのブランドン・ボスティアン運転士と、同じくフィラデルフィアを走っていた南東ペンシルベニア交通局(SEPTA)の列車の運転士がそれぞれ無線で話している内容を聞いた。
NTSBの当局者によると、車掌はアムトラックの運転士が無線で、何かが列車に当たったと話しているのを聞いたほか、SEPTAの運転士が鉄道の指令部に対し、列車が石に当たったか撃たれたかしてフロントガラスが割れ、緊急停車したと報告しているのも耳にしたという。
脱線したアムトラックの列車のフロントガラスは損傷したが、中でも下部に特徴的な損傷が見られる。NTSBの当局者は「円形の形で若干広がりがある」としており、米連邦捜査局(FBI)も捜査に乗り出す。
一方、SEPTAの列車の運転席付近に乗車していた男性客は、同日午後9時10分ごろに大きな音が聞こえて列車が止まったと証言。アムトラックが脱線したのはそれから少し経過した同9時半ごろだった。
ボスティアン運転士は15日、事故以来初となる事情聴取に応じた。NTSBによると、同運転士は「極めて協力的」だが、事故現場付近のノース・フィラデルフィア駅を過ぎてからのことは何も覚えていないと話しているという。同運転士は脳しんとうなどのけがを負っている。
この他にも、列車のスピード、線路の状態、人為的なミスなど、あらゆる可能性を考慮して捜査が行われている。
脱線事故では、8人が死亡、200人以上が負傷した。
米アムトラック脱線事故 「何かが当たった」