(CNN) 軍幹部がクーデターを宣言し混乱が続いていたアフリカ中部ブルンジで15日、当局がクーデターに関与した軍幹部らを逮捕した。同国のヌクルンジザ大統領は同日、テレビ演説を行い、平和の回復を宣言した。
当局は大統領が外遊先のタンザニアから帰国した直後に、クーデターに関与したとみられる陸軍大将らを逮捕した。政府報道官によれば、反逆罪で軍法会議にかけられるという。
ヌクルンジザ大統領は、力による政権の奪取は「この国がこれまで経験してきた戦争、貧困、その他の残虐行為を引き起こすことになる」と警告。短文投稿サイト「ツイッター」では、治安部隊の「愛国心」とブルンジ国民の「忍耐力」を称賛するコメントを寄せた。
軍幹部は13日にラジオでクーデターを宣言。ヌクルンジザ大統領が首脳会談のためタンザニアに滞在中だった。その後、政府報道官はこれを「ジョーク」と評するなどして事態の沈静化を図り、14日には大統領がツイッターで国民に平静を呼びかけていた。
ただ、反大統領派と警察の衝突は15日も依然として続いている。首都ブジュンブラでは、デモ隊を解散させるため警官が空中に発砲するなどした。負傷者は出なかった。
ブルンジでは、ヌクルンジザ大統領が3期目を目指して大統領選に出馬する意向を示したことを受け、憲法違反だとしてこれに反発するデモが激化。衝突を恐れて隣国のコンゴ(旧ザイール)やタンザニア、ルワンダに10万5000人が避難している。
ブルンジはルワンダと同じく多数派のフツ人と少数派のツチ人で構成され、かつては民族間の対立による内戦で30万人が死亡した。現時点では政治的な対立の様相を呈しているものの、政府が政権維持のために民族対立をあおるのではないかと警戒する声も出ている。