米列車脱線事故 機関士が事情聴取に同意

事故現場の検証にあたる調査員=NTSB提供

2015.05.15 Fri posted at 16:31 JST

(CNN) 米フィラデルフィア近郊で起きた長距離列車アムトラックの脱線事故に関して、列車を運転していたブランドン・ボスティアン機関士(32)が米国家運輸安全委員会(NTSB)の事情聴取に同意した。12日に発生したこの事故ではこれまでに8人が死亡した。

NTSBは調査を続けているが、カーブに差しかかった列車が加速した理由や、線路上の障害物の有無など不明な点がいくつも残っている。ボスティアン機関士から直接事情を聴くことで、疑問を解く鍵が見つかるとの期待が高まっている。

関係者が注目しているのが、脱線の直前に列車が加速したことを示すビデオだ。NTSBのロバート・サムウォルト委員によれば、録画が終わる65秒前の速度は時速112キロを超え、その後も加速が続いたという。

だが「分かるのは速度だけだ。どのようにして加速したのかまでは分からない」とサムウォルト委員は述べた。

ボスティアン機関士の弁護士がABCテレビに語ったところによると、同機関士は事故で意識を失った後について「何一つ思い出せない」状態だという。

事故車両を運転していたブランドン・ボスティアン機関士=リンクトインの写真から

「(ボスティアン機関士は)カーブに差しかかり、速度を落とそうとしたことは覚えている。最後の記憶はバッグを探して携帯電話を取り出し、電源を入れて緊急通報したことだ」と弁護士は語った。

非常ブレーキについても記憶にないというが、サムウォルト委員によれば脱線の直前の「わずかな時間」、作動させたとみられる。

弁護士はボスティアン機関士に関して、脳しんとうから回復すれば記憶がよみがえる可能性もあると考えている。同機関士は頭を15針縫ったほか、片足がギプスで固定されているという。

消防によれば、事故の8人目の犠牲者は1両目の残骸から14日の朝、運び出された。これで乗員乗客243人全員の安否が確認されたが、現時点で少なくとも6人が重体だ。

取材に答えるアムトラックのCEO(左)

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