飲酒傾向と性別、所得の関係は OECD研究報告

経済協力開発機構によれば、先進国では過度の飲酒が引き起こす損失が国内総生産の伸びの1%前後に達しているという

2015.05.14 Thu posted at 10:39 JST

ニューヨーク(CNNMoney) だれよりも酒をよく飲むのは「高学歴、高所得の白人男性」、健康や精神状態を危険にさらすほどの過剰飲酒が多くみられるのは「貧困層の男性」と「富裕層の女性」――。経済協力開発機構(OECD)がこのほど、世界各国の飲酒傾向を性別や所得、学歴などによって分析した研究報告を発表した。

報告書はまた、飲酒が労働力や生産性に及ぼす影響を試算。医療費や犯罪の増加によって先進国が被る損失は経済成長の1%前後に相当すると指摘した。

米国の国内総生産(GDP)は昨年、前年比で6500億ドル(約77兆円)増加した。飲酒による経済的損失はその1%、つまり65億ドルに達した計算だ。OECDによれば、飲酒の損失は経済成長の3.3%に上るとの説もあり、その場合米国は年間210億ドルも失ったことになる。

人気のある酒の種類を国別にみると、米国ではビール、フランスとイタリア、ポルトガルではワイン、ロシアでは蒸留酒がトップだった。

15歳未満の飲酒は2001年からの10年間で男女ともに15%程度増加した

15歳未満の飲酒は増える傾向にあり、このうち酒に酔った経験がある女子の割合は、2001年の26%から10年には41%に増加。男子も30%から43%に増えた。

報告書は過度の飲酒を抑える手段として、アルコールへの課税強化や値上げを提案。米国はほかの先進国に比べて酒税の税率が低いと指摘した。

これに対して米国の業界団体は「増税や値上げでアルコール依存などの問題が解決しないことは、多くの研究で立証されている」と反論し、未成年による飲酒の取り締まり強化や教育の徹底、依存症患者の治療といった対策が有効だと主張している。

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