制御不能のロシア宇宙輸送船、大気圏再突入で燃え尽きる

「プログレス59」搭載のカメラからは機体がぐるぐる回る様子がうかがわれた=NASA提供

2015.05.09 Sat posted at 14:56 JST

(CNN) ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は8日、打ち上げ後に制御不能となっていた同国の無人の宇宙輸送船「プログレス59」が同日、大気圏に再突入し、船体の大部分が燃え尽きたと報告した。

ロスコスモスの声明によると、大気圏への再突入は中部太平洋の上空でモスクワ時間の8日午前5時4分ごろに発生。船体残がいの小さな破片が地球上に少数落下する可能性があるが、地上にではなく海面への着水のような形で発生するとも説明した。

プログレス59は国際宇宙ステーション(ISS)へ食料、燃料、酸素、予備部品や科学実験装置などの補給物資を運ぶ予定だった。しかし、先月28日の打ち上げ直後、地上の管制塔との交信が途絶する状態になっていた。

宇宙庁は交信断絶などの原因を調べている。ロシアのタス通信は、初期段階の分析結果として同輸送船打ち上げの際、3段目のロケットに不具合が起きた可能性があると報じた。

ロシアの宇宙船がドッキングを目指していた国際宇宙ステーション(ISS)

今回の打ち上げ失敗で、ISSの一部の搭乗要員の地球への帰還が遅れることにもなった。当初は5月14日にISSを離れる予定だったが、6月まで延期するとみられる。タス通信は、ロシアによる補給船の再打ち上げは6月下旬もしくは7月初旬になると伝えた。

米航空宇宙局(NASA)は、プログレス59による補給物資の搬送失敗がISSの活動に致命的な影響を与えることはないと指摘している。

制御不能のロシア宇宙輸送船、大気圏再突入で燃え尽きる

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。