ブルンジで大統領3選への抗議デモ、隣国に難民2万人超

2015.05.05 Tue posted at 17:27 JST

(CNN) アフリカ中部ブルンジで4日、ヌクルンジザ大統領に対する抗議デモが再燃した。警察との衝突で死傷者が出ているという情報もあり、衝突が拡大して難民がさらに増えることへの懸念も強まっている。

今回のデモは、ヌクルンジザ大統領が3期目を目指して次期大統領選に出馬する意向を表明したことに抗議して、4月26日から始まった。デモ参加者は、大統領の3選は同国の憲法で禁じられていると主張する。

これに対してヌクルンジザ大統領の支持者らは、1期目が国民の投票ではなく議会によって選出されたことを理由に、3選禁止は当てはまらないと反論している。

報道によると、抗議デモは週末をはさんで4日に首都ブジュンブラで再開された。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの研究員は、警察が数日前から実弾を使っているほか、催涙弾の使用や放水も行っていると指摘。「情勢は非常に緊迫している」「緊迫の度合いは増しているようだ。大統領が引く構えはなく、デモ隊は抗議を続ける姿勢のようだ」と話している。

市民は衝突を逃れて自宅から避難したり、隣国ルワンダに逃れたりしている。

国連難民高等弁務官は1週間前の時点で、女性や子どもを中心に、約2万1000人がブルンジからルワンダに逃れたと伝えていた。避難した人たちは、大統領選挙に絡む脅しや暴力の脅威にさらされたと訴えているという。難民の数は今後さらに増える可能性もある。

小国のブルンジはルワンダの南部に位置する。ルワンダでは1994年に起きた民族対立で、少数派のツチ族と多数派フツ族の穏健派約80万人が100日間の間に殺害されたとみられる。

ブルンジの人口は1040万人。人口構成はルワンダと同様フツ族が過半を占め、ツチ族は少数だ。1993年から2005年まで続いた民族対立による内戦の死者は30万人と推定され、内戦の終結に伴って就任したのがヌクルンジザ大統領だった。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの研究員によれば、今回の衝突は民族対立に起因するものではなく、大統領支持派、反対派ともフツ族だという。

民族分断の解消に向けた進展は見られるものの、同国では政治的対立が激化した過去もある。また、背後には常に民族的緊張が絡むと同研究員は解説する。

国際社会からも懸念の声が強まっており、在ブルンジ米大使館は4月26日、「反対派を暴力で抑圧したり、平和的に抗議する権利のある市民を脅したりすることは、民主化の推進を願う国家においては容認されない」とする談話を発表。国連や欧州連合も懸念を表明した。

短文投稿サイトのツイッターには、4日の衝突でデモ隊に負傷者が出たという投稿が掲載された。ヒューマン・ライツ・ウォッチの研究員は、この1週間あまりでデモ隊の数人が死亡し、300~400人が逮捕されたと話している。

大統領選は6月26日に投票が行われる。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。