HP元CEOが米大統領選に出馬表明 批判サイトも登場

カーリー・フィオリーナ氏

2015.05.05 Tue posted at 10:51 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)の最高経営責任者(CEO)だったカーリー・フィオリーナ氏が4日、米大統領選に共和党から立候補すると表明した。ところが同氏の氏名をドメイン名とするウェブサイト「CarlyFiorina.org」には、同氏がHPで従業員3万人を解雇したと非難する声明が掲載された。

フィオリーナ氏は1999年から2005年までHPのCEOを務めた。問題のウェブサイトには、HPで同氏が削減したとされる人員数を示す悲しい顔の顔文字が並んでいる。同氏に対しては、大量の雇用を米国外に流出させたという批判も根強く、2010年に出馬した米上院議員選はそれが一因となって落選した。

ただし「CarlyFiorina.org」のサイトはハッキングされたわけではなく、批判掲載は現代の政治家にありがちな不手際が原因だった。

フィオリーナ氏の公式サイトのURLは「CarlyFiorina.com」。しかし陣営は、「.org」を使ったドメイン名の方は登録していなかった。

このためグーグルなどのネット検索でフィオリーナ氏の公式サイトを探そうとしたユーザーの多くが、フィオリーナ氏批判サイトに行き着くことになった。

陣営にコメントを求めたが返事はなかった。

フィオリーナ氏による3万人の解雇を批判する「CarlyFiorina.org」のサイト

批判サイトについては、サービス業界の従業員で組織する国際労働組合(本部・米首都ワシントン)でマーケティングを担当するマイク・リンク氏が絡んでいることがCNNMoneyの取材で分かった。同氏はHPに勤務した経験はないという。同組合は主に民主党の支援を受けているものの、フィオリーナ氏批判サイトは「個人的なプロジェクト」だとリンク氏は話している。

ウェブサイトのドメイン登録でトラブルに見舞われた候補はフィオリーナ氏にとどまらない。

移民反対を掲げて共和党の指名争いに出馬を表明した右派のテッド・クルーズ氏は「TedCruz.org」のドメインしか登録しなかった。このため「TedCruz.com」には、オバマ大統領の移民政策を支持する内容が掲載されている。

また、民主党から出馬表明したヒラリー・クリントン氏の名を使った「HillaryForPresident.com」のドメインは、米フロリダ州に住む保守系の歯科医師が押さえて民主党とオバマ大統領の医療保険制度改革に反対するキャンペーンを展開している。

出馬が確実視されているジェブ・ブッシュ・フロリダ州知事の陣営も、まだ「JebBush.com」のドメインを登録していない。同ドメインは先月、25万ドル(約3000万円)で売りに出された。

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