ニューヨーク(CNNMoney) 米マイクロソフトは29日に米サンフランシスコで開いた開発者会議で、ユーザーが使っている端末に合わせて画面が動的に切り替わる新機能を次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」に搭載すると発表した。
新機能は「コンティニュアム(『連続』の意味)」と呼ばれる。例えばタブレットの画面でウィンドウズを使っている時はアプリが全画面表示され、キーボードとマウスを接続すると自動的にデスクトップPCの画面に切り替わる仕組み。
ウィンドウズ10ではスマートフォンでもパソコンでも実質的に同じコードが使われることから、無線接続機能の「ブルートゥース」経由でモニターとキーボードとマウスをスマートフォンに接続して、PCのように使うことが可能になる。
ただしこの機能に対応したハードウエアはまだ存在しておらず、2つの画面に対応できるスマートフォンはこれから開発する必要がある。ウィンドウズ10はこの夏に登場する見通し。マイクロソフトは携帯電話メーカーのノキアを傘下に収めており、対応スマートフォンが登場するのは確実だ。
開発者会議でマイクロソフトのOS担当幹部ジョー・ベルフィオレ氏が披露したデモでは、スマートフォンをモニターとキーボードとマウスに接続するとすぐ、モニター上のスマートフォン画面がウィンドウズのデスクトップのような画面に切り替わった。
画面の左下にある「スタート」ボタンをクリックすると、アプリの起動画面が表示される。
ベルフィオレ氏は「パワーポイント」「アウトルック」「エクセル」などのアプリをPCで操作するのと同じように、スマートフォンから操作して見せた。
ただし、中にはスマートフォンでは使えないアプリがあるほか、画面のサイズ変更ができないといった制約もあり、当面はまだPCを捨て去ることはできそうにない。
それでもいずれは、職場に出勤すると自動的にスマートフォンが無線モニターやキーボードに接続されてPCを起動せずに仕事ができるようになり、自宅ではテレビなどに接続して自分の好きな画面をPCとして使えるようになるかもしれない。
職場と自宅で違うPCを使ったり、ノートパソコンを持ち歩いたりしなくても、スマートフォンさえあれば済むという時代はそう遠くなさそうだ。